VCRWORKS&ハン・ジウォン監督スタジオ訪問記by花コリスタッフ

インディ・アニフェスト2019映画祭期間中に映画祭海外ゲストとともに、花コリ2018大阪ゲストでもあり、2019年7月27日(土)に東アジア文化都市2019豊島のパートナーシップ事業としてシネ・リーブル池袋にて開催された「夢見るコリア・アニメーション」日韓ミュージックビデオ交流上映プログラムでもゲスト来日したイ・ジョンフン監督率いるVCRWORKSスタジオを見学しました。 


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2歳の愛犬が出迎えてくれました。

メスかオスか聞いたところ「去勢手術したので、もはやオスではない」との答えでした笑。


イ・ジョンフン監督の作品『星が輝く夜に』(インディ・アニフェスト2017学生部門優秀賞&音楽サウンド部門特別賞ダブル受賞、花コリ2018で上映)でも犬が出てきます。


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星が輝く夜に 별이 빛나는 밤에 / The Starry Night

(2017 / 09:05 / 2D,3D)

 


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VCRWORKSスタジオは、弘益大学という美大で有名な大学がありお洒落なカフェや個性的なお店、夜にはクラブ街で賑やかになる弘大(ホンデ)というエリアにあります。イ・ジョンフン監督が通っていた国立韓国芸術総合学校(K'ARTS)の卒業生が集まり、2015年に創設した映像制作スタジオで、自分たちのスタイルやアートワークを大事にしていく方針をかかげています。


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最初は自分たちのスタイルがあまり知られておらず苦労したが、SNS等で彼らの作品が広がるにつれ、VCRWORKSのスタイルやスタジオ所属アーティストの独自のスタイルを気に入っての依頼が増えて来たとのこと。今は8人のスタッフが所属しており、スタジオを見学した時にはいくつものプロジェクトを同時進行していました。花コリ2019で上映した『Sigh of Sighs』のキム・ボソン監督も所属しています。

 


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インディ・アニフェスト2019海外ゲストで来韓していた山村浩二監督の大ファンということで、上質な紙を探し出し、サインをしてもらい大喜びのキム・ボソン監督(『Sigh of Sighs』トレーラー)。

キム・ボソン監督は花コリ2015で『Dis COVERS』も上映しています。


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『Sigh of Sighs』(2018 / 05:50 / 2D)


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Dis COVERS』(2014 / 03:47 / 2D、3D


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VCRWORKSショーリールを鑑賞。



7月に開催された「夢見るコリア・アニメーション」の「日韓ミュージックビデオ監督によるクロストーク!」ではイ・ジョンフン監督が来日し、『惑星兄弟』の土屋萌児監督、『思ったより澄んだ』のハン・ジウォン監督とトーク。イ監督は中国のアイドル蔡徐坤のミュージックビデオ『No Exception』を上映。制作時、中国アーティストのため習近平の風刺に使われているくまのプーさんを入れない、また旗に使われている赤や黄色を入れない等、気を付けたことが語られました。



蔡徐坤 『No Exception 沒有意外』ミュージックビデオ

(2019 / 05:09 / 2D)


また、絵本も出版しており、その絵本をアニメーション化する予定で出版したが、外部の依頼仕事で忙しく、まだ達成されていないとのことでした。

どんなアニメーション作品に仕上がるか、楽しみですね!


【VCRWORKSで出版している絵本一部】


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『きつね 여우』ク・ジャソン  

160*150mm / p72 / 2015 / 13,000 won 

ISBN : 979-11-954212-2-0

 


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『愛を探して 사랑을 찾아서』イ・ジヘ 

B5 / p64 / 2015 / 15,000 won 

ISBN : 978-1503082007

 

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『花蓏果蓏菓子店 화라과라 과자점』チョン・ウンジン

季節ごとの和菓子が独特なアートワークとともに繰り広げられています。

B5 / p72 / 2018 / 20,000 won 

ISBN : 979-1195997039



 

VCRWORKSスタジオを訪問した後、イ・ジョンフン監督と映画祭ゲストと一緒に会食をした際にご一緒したハン・ジウォン監督が、自分のスタジオも近い(望遠망원マンウォン)から、ということで、ハン・ジウォン監督のスタジオにも急きょお邪魔することになりました。


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ハン監督のスタジオは数日前に引っ越してきたばかりだから、何もないとのことでしたが、すっきりしたお洒落な空間でした。ここにもいろいろな作家さんが集まり、現在制作中の監督の短編新作『魔法が戻る日の海(仮)』やウェブシリーズ商業プロジェクトを同時進行で制作していました。日本で商業アニメーションの仕事をしていたハム・ヒョンミさんや東京藝術大学院アニメーション専攻に留学中で、今は休学中のチョン・ジンギュさん(花コリ2016『Material Girl』上映)も所属していました。

また、ハン監督はここで社会人や学生さん向けに定期的にアニメーションを教えているそうです。


ハン監督はインディ・アニフェスト2010で『Kopi Luwak』が大賞を受賞し、それ以降に制作した『学校へ行く道』(2013 / 21分)、『Lucky Me』 (2014 / 26分)、『愛してると言って』 (2014 /  8分)の3作を追加してオムニバスの『思ったより澄んだ / Clearer than You Think

(2014 / 77分)と題して花コリを主催する韓国インディペンデント・アニメーション協会(KIAFA)の記念すべき長編作品第一作目として配給され、韓国で公開されました。

また、公募展で応募した作家コン・ジヨンのエッセイ『娘に贈るレシピ 딸에게 주눈 레시피』(2017-2019)のWebアニメーションが入選しWeb連載をしたり、いろいろなアーティストのミュージックビデオや広告映像を制作しながら自身のアートワークの幅を広げ、フリーランスで活躍しています。


『娘に贈るレシピ』のWebアニメーションはGRAFOLIOで観られます。

ナレーションの声は、高校時代放送部でDJ経験もあるハン監督の実の母親が、娘役はハン監督自身や、ハン監督の双子の姉ハン・ジヘさんが担当しています。ハン・ジヘさんの作品は花コリでも過去に2010『The Gift』、2015『今日の夢』の2作を上映しています。

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『娘に贈るレシピ』のメイキングは「Archiving Today」イ・ギョンファ著で詳しく語られています。

花コリ3会場で、花コリ会期中、日本語訳冊子付きで販売します。

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『何にでもなれる You Can Be Anything You Want』(2018 / 01:33 / 2D, 3D)

ハン監督が手掛けた「ストーンヘンジ Beautiful Moments」の年末キャンペーン映像





Eddy Kim『Last』(2018 / 01:00 / 2D, 3D)

ハン監督が手掛けた2018年10月11日に発売されたエディ・キムの3rdアルバムに収録された曲のスペシャルミュージックビデオ。




イ・ジョンフン(『星が輝く夜に』監督)
1988年にソウルで生まれ、加平郡大成里で幼年時代を送る。4歳から絵を描き始め、アニメーション監督になることを夢み、韓国アニメーション高校アニメーション科を卒業、韓国芸術総合学校アニメーション科を卒業。2015年大学の同級生とVCRWORKSというアニメーション/出版スタジオを創業し、絵本出版とアニメーションの制作をしている。2005年短編『夢想の歩み몽상걷기』制作、2008年短編『my ball』制作、2017年短編『星が輝く夜に』を制作。 人生を盛り込んだアニメーションは、多くの人々の心を動かすと信じている作家である。

【関連リンク】

ハン・ジウォン(『思ったより澄んだ』監督

ソウル芸術高校デザイン科卒業、韓国芸術総合学校(K’ARTS)映像院アニメーション科卒業。在学中に出品した『Kopi Luwak』がインディ・アニフェストで大賞を受賞し、本格的な制作活動を開始。2015年に短編をまとめたオムニバス長編『思ったより澄んだ』を公開。現在はフリーランスでウェブ漫画、広告、ミュージックビデオなどの演出で活躍。


【関連リンク】

ハン・ジウォン監督インスタ

Seoul & Animator プレゼンツ Archiving Today『娘に贈るレシピ』


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