キム・ジュンギ監督『少女に』登場者インタビュー

花コリ2019 韓国短編プログラム1で上映した『少女に』について

お詫び:大阪会場、東京会場チラシ、また上映素材のタイトル字幕では題名が『少女へ』となっていますが、『少女に(捧ぐ)』「捧ぐ」という意味が込められていると判断し、修正いたしました。


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『少女に / 소녀에게 / For Her』
2017 / 13:55 / 2D, 3D
年老いた2人の旧日本軍人が、中国戦線で目の当たりにした惨たらしい出来事について証言する。

Director’s note
加害者の良心の告白を、アニメーション映像として制作しようという意図で始まった。



この作品は過去に花コリで上映した『少女の物語 / Herstory』(花コリ2013)、『環』(花コリ2016)を含めた3部作となっています。

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『少女の物語 / 소녀이야기/Herstory』
2011 / 11:00 / 2D、3D
日本軍の従軍慰安婦としてインドネシアのジャワ島へ連行され、数年間の慰安婦生活を送ったチョン・ソウンさん(1924~2004)。彼女の生前のインタビュー音声をそのまま使用して作られたアニメーションだ。日本人に対抗した罪で投獄される父の身代わりに日本へ働きに出るつもりだった、少女ソウンさんの体験談。

Director's note
未だに解決されていない日本軍従軍慰安婦という我が国の近代史の問題を、アニメーションで表現し、伝えたかった。

★本編視聴(日本語字幕)★

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『環 / 환/Cycle』
2015 / 13:55 / 2D、3D
第2次世界大戦のただ中、主人公は韓国人だが、強制徴用によって、日本のため“カミカゼ”となって特攻しなければならない。故郷に妻と娘を残し、主人公はゼロ戦に搭乗する。

Director's note
未だ解決されない韓日の近代史の問題を、作品で表現したかった。このような作品をきっかけにして、両国民の関心が広がり、対話の機会が作られれば良いと思う。

★本編視聴(日本語字幕)★

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『少女の物語』キム・ジュンギ監督スタジオ訪問記By KIAFA



『少女に』の中でも語っている根本長寿さんのお孫さん、根本大(まさる)さんにお話しを伺いました。
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Q.自己紹介をお願いします。

A.私は根本 大(ネモトマサル)と申します。栃木県鹿沼市に住んでおります。元日本軍人であった祖父から従軍慰安婦に関する話を聞いたことをきっかけに、ネット上にサイトを作り、『FOR HER(少女に)』に証言内容を提供しました。本日は韓国アニメーション上映会を行うということでここにお招きいただきまして、誠にありがとうございます。

Q.『少女に』の制作に関わることになったきっかけは?

A.祖父から証言を聞き、歴史学者の先生や詳しい方のアドバイスなどを基に、ネット上に「祖父の証言」というサイトを作りました。それが『FOR HER(少女に)』のキム・ジュンギ監督さんの目にとまり、証言内容を提供することになりました。私のほうとしても、慰安婦問題はそれまでド素人で、ネット上の誤った書き込みに影響されておりましたから、歴史の真実を広めたい、皆に知ってほしい、という思いで提供した次第です。

Q.「証言内容を提供」されたということですが、具体的にはどういう形で行われたのでしょうか? 根本さんの話しているシーンは、音声だけでなく顔等の表情もリアルに表現されているので、動画を撮られてそれを提供されたのでしょうか?または韓国に根本さんが行かれて、または監督の方が日本にいらして、取材をされたのでしょうか?

A.日本の共同通信社が取材に来た時の録音テープをキム・ジュンギ監督さんに提供しました。さらに監督さんと、その友人ソン・ギョンソプさん(私のサイトに写真があります)という方が私の家まで来て取材して行かれました。


Q. この作品は3部作で、最後の作品となりますが、以前の『Herstory』、『環』はご覧になりましたか?

A.観ました。


Q. 制作に関わって、印象に残ったこと等ありましたら教えてください。

A.アニメーション自体は、三重県の近藤一さんという元兵士の証言も一緒になっており、非常に多くの反響がありました。日本人としてはたとえ目を背けたい内容だとしても、かつて日本人が本当にこういうことをやったんだ、ということを記憶していく必要があると思います。二度と同じことを繰り返さないために。さらに私は二度訪韓してキム・ジュンギ監督さん達と交流したり(*1)、ナヌムの家(*2)を訪問して元慰安婦の方から話を聞いたり、非常に有意義なことができたと思います。

*12015年12月15・16日韓国訪問記1
*2ナヌムの家:나눔의 집韓国語で「分かち合いの家」の意で、京畿道広州市にある民間の施設 

Q.「大きな反響があった」とのことですが、花コリ以外で日本国内で上映の機会があったのでしょうか?

A.上映会があったという話はきいてないです。ただ、YouTubeで公開したら「予想外に多くの人たちから注目を集めた」というメールをソン・ギョンソプさんから頂きました。
さらに、RECORDCHINAや韓国のマスコミでも「大きな反響」と伝えられているようです。

2017.07.27 70万人が衝撃を受けた,戦時の旧日本軍の行いを再現した韓国の3DCG動画「少女へ」소녀에게 #慰安婦問題
韓国人教授が製作した慰安婦の3D映像、YouTubeで大きな反響

再生回数約326万回ですし、英語版なども作られているようですから、ネット上では「大きな反響」と言っていいんじゃないでしょうか。


Q. H29年(2017年)4月に根本長寿さんが亡くなられたそうですが、おじいさまは、この作品の完成品をみることができたのでしょうか? また、おじいさまの証言をアニメーションにしたいというお話を聞いた時の、おじいさまの反応はどういうものでしたでしょうか?

A.私は作品がYouTubeで公開される前にファイルで送ってもらって観ました。それが4月12日。祖父が死んだのが4月26日。祖父はもうそういうものを見れる体ではなくなっていたと思います。脳梗塞と、心臓の病気(完全房室ブロック)を患っていましたから。
アニメにするという話をした時は、これといって驚きとか喜びとか、そういう反応はなかったと思います。ただ、「分かった」みたいな。

Q. 最後にご覧になる方々にメッセージを。

A.反日アニメ、ということではなく、「歴史を記憶するためのアニメ」だということで見てほしいです。


上映会当日は、遠いところからわざわざ足を運んでくださり、舞台挨拶もしていただきました。
ありがとうございました!

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