『Sweet Sweat』キム・ジョンヒョン

インディ・アニフェストでは韓国国外の留学先で制作された優秀な作品も数多くノミネートしています。
今回はその作品の中の一つで花コリ2019 韓国短編プログラム2で上映される『Sweet Sweat / 단 땀』を紹介します。
監督のキム・ジョンヒョンさんはエストニア唯一の芸術系公立学校「エストニア・アカデミー・オブ・アーツ」に留学し、この作品は卒業制作で、指導教官は退官直前のエストニアアニメーション界の重鎮、プリ―ト・パルン監督でした。
『Sweet Sweat』はインディ・アニフェスト2018で見事、学生部門優秀賞を受賞しました。

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インディ・アニフェスト2018受賞作審査評より
この不埒な作品には、質感と官能の饗宴が繰り広げられます。最初の瞬間から、この小さくて言葉のない宇宙での特別な緊張感を感じることができます。高度象徴的な視覚言語は多層的な意味を暴いています。ビスケットは性的象徴であることが明らかになり、観客はエロティックな欲望の探索に参加します。この作品は、親の性生活を知った子供の好奇心をつかみます。この優れた作品の力は、画像との物語、そしてサウンドの素晴らしい統合にあり、最終的には強力な結末で頂点を奏でます。
(Waltraud Grausgruber)

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『Sweet Sweat / 단 땀』
キム・ジョンヒョン 김정현 / 2018 / 06:04 / Drawing
”子ども”は、母親が自分に示してくれる愛のかたちが、父親への愛と異なることを知る。
好奇心半分、怖さ半分、”子ども”は自分なりの対応策を探す。

Director’s note
子供の視線を通して、人が感じる二つの愛と、それを知り理解していくまなざしを描こうと試みた。
その過程を通じて、制作者自身の愛へのまなざしも、理解することができた。


トレーラー

sweet sweat trailer from Jung Hyun Kim (June) on Vimeo.



★キム・ジョンヒョン公式サイト



インディ・アニフェスト2018学生部門2 上映後監督トークより
2018年9月16日(日)

Q. どのようにしてこの素材で作品を作るに至ったか気になります。序盤で朝食を食べるシーンで、ニュースの音でイチゴの農作物の話が出ていたけれど、その映像音を採用した特別な理由があるのか​​知りたいです。

A.作品を構想するとき、最初にタイトルが出たのだけれど、私が夏にひどい風邪にかかって、薬もいっぱい飲んで、汗をかいていたら、汗からなぜか甘い匂いがしてきたことがあったんです。そこから始まって、また、汗が甘いということを発見するというのは、とても近い関係である必要があるから、そういう関係がどこにあるかと考えてみた時に、恋人や夫婦、または母親と子供との関係を考えるようになりました。でも、その差が大きくて、「関係の相違」から始めることになりました。
ラジオの音は、私が台本を書いて、私の父が読んで録音したものをラジオの音風に変えたのですが、このアイデアは制作中の後半に出てきました。制作が終わる1ヵ月程前に思いつき、全体的なストーリーが重いので入れるようにしました。面白いことに、そのラジオの声の字幕を入れなかったので韓国人だけが聞き取れるのです。私は(長いこと海外生活をしていたため)韓国人とのコミュニケーションをしたことがなくて、僅かな楽しみを得るために使いました。

Q.最近エストニアとポーランドで良い作品がたくさん出てきていますが、このような事実を韓国で知っている人はあまりいません。どうしてエストニアに留学をしようと思ったのか気になります。エストニアで通った学校のカリキュラムや雰囲気はどうでしたか?指導教授はどんな方だったのでしょうか?

A.エストニアは、前からエストニアのアニメーションが好きだったので、大学院に通いました。指導教授は人柄が素晴らしい方でした。エストニアは生活するにはパサパサしたところなのだけれど、2人の教授が私を家にたくさん呼んでくれて、よくしてくれたおかげで無事に卒業しました。

Q.重い素材と言っていたけれど、重くも面白くも解釈することができると思います。なぜ重いのか、父親だったのか正確にはキャッチできませんでしたが、その男の人との関係がどういうものなのか、両親と子の間の関係の対比がうまくいっていたと思いますが、全体的なテーマも気になります。

A.重いテーマと言ったのは、全体的に見ると、性的なコンセプトを初めて受け入れ、トラウマを受けることから始まっています。ところが、あまりにも直接的に性的なことだ、トラウマに関するものだ、と言いたくなくて、最大限、子どもの視点から行けるようにシナリオを書き、初めにシナリオを書くとき、父親と思って書いていたが、大人の男性と思いながら見ても流れに十分に沿って行くことができると思いました。子どもと大人の愛と見てもいいと思います。

Q.黒い紙の上にパステル?

A.黒い紙の上にオイルパステルで描きました。一つの場面に最低3枚くらいレイヤーがあり、背景、フィギュア、オブジェクトがあって、全部、描いた後にコンピュータにスキャンして、アフターエフェクトで合成しました。

Q.アニメーションという専攻を選択したきっかけ、また、アニメーション作品を制作することになったきっかけは?

A.学部はファインアートを出て、絵画の方をやっていたのだけれど、絵だけやっているのが息が詰まって、いろいろ試してみたら映像が合っていたようで、それでお墓を立てました(笑)。

Q.制作で一番大変だったことは?

A.作業量と時間との戦いだったが、教授の引退が控えていて、その前に終わらせなければならなくて、時間的に不足していたのが、一番大変でした。
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