『妖怪進撃図』パク・セホン監督インタビューby ILC

パク・セホン監督インタビュー
月刊「I Love Character」2018年1月号(キム・ミンソン編集長)より


趣味で始めた人形作りが仕事になり、アニメーション用の人形制作スタッフとして働き、自分の人形アニメーションを作るようになった。心に大事にしまっていた、ささやかな願いが、時が経ち、徐々に自然と形になっていった。パク・セホン監督の最初のストップモーション、人形アニメーション演出作『妖怪進撃図』はそうやって誕生した。


自己紹介

人形アニメーションを作っている。元々、同好会で人形とフィギュアを作る活動をしていて、2002年にストップモーションアニメーション会社に入社した。ストップモーション撮影に使用されている人形と骨組み(アーマチュア)を作る仕事を始めTVシリーズ、広告、短編アニメーションの制作などにスタッフとして参加し、現在は「活動人形工房」を運営し、人形アニメーション制作をしている。「インディ・アニメフェスト2018」で上映された『妖怪進撃図』は、自ら演出と制作をした最初の短編アニメーションである。


監督になったきっかけは?

仕事を始めながら、いつかは自分の作品を制作したかった。会社に通いながら一緒に制作している方から人形アニメーションを制作する過程を少しずつ学んだ。他のパートのスタッフを任されることもあったし、時には進行中のプロジェクトが中断されることもあった。そうやって数年働いてみると、この仕事を続けるためには、自分で作った人形で、自分自身を証明することができる何かが必要だと思うようになった。どうせなら大人も一緒に見ることができる実写的な雰囲気のアニメーションを制作したかった、それが『妖怪進撃図』を作ったきっかけになった。


『妖怪進撃図』はどのような作品か?独特の笑いのコードと終わり方の余韻など、魅力的な要素が多い作品という評価だが。

ストップモーション技法で作られた7分間の短編人形アニメーションである。科挙の試験に落ち続けて、家に帰ろうとした朝鮮時代のソンビ(士大夫)が偶然、妖怪を封印した掛け軸を得ることになり、話が広がっていく人間の欲望に関する話。ジャンルはクラシックファンタジーであり、ツールはストップモーション制作ソフト「ドラゴンフレーム」を使用し、約5,040枚の写真で構成した。一人で作業していたので、制作過程で省略した部分が多い。人形の表情の変化もほとんどなく演出力も不足していた。でも、このような粗雑なポイントを観客の方がむしろ予期せぬ表現と展開として受け入れてくれたようだ。開かれた結末に仕上げたのは、何かメッセージを伝えるのではなく、観客と一緒に見て考えることができるものを作りたかったからだ。


制作中、一番記憶に残っている瞬間はいつ?

映像に声を与えた瞬間だった。『妖怪進撃図』を制作していて、初めて音声ダビング作業をしてみたのだが、録音スタジオはたった1時間だけしか借りれず、また条件上、一人の声優が複数の登場人物を全部消化しなければならなかった。そんな悪条件にも関わらず、声優の声が人形に着せられた瞬間、全く新しい結果物になった。映像だけで見たときとは、内容伝達と感情移入度などが明確に変わった。これまでの作業過程を考えると、力が抜けたりもしたが、期待以上であった。


これからの計画は?

今回初めて演出をしたが、監督へと完全に転向したわけではない。他の人形アニメ―ションのプロジェクトが入ってくれば、いつでもスタッフとして参加するつもりだ。そして、次の制作は、この間、短編アニメーションの制作支援を受けることになり準備中で、タイトルは『用のない村』。古典的なファンタジーであり、人々の関係についての話になるだろう。監督になって制作するのは、難しくて大変なことだが、今後も人形アニメーションを通して、観客と出会い続けたい。

*作品リンクはYouTubeの視聴ページに飛びます
2018 『妖怪進撃図』監督
2014 KBS1『ギャラクシーキッズ/갤럭시 키즈』人形小道具制作
2010 EBS英語『楽しい科学アニメーションWHY?/신나는 과학애니메이션 WHY?』人形制作
2007 SBS『ぼくの友達ドラゴン/내친구 드래곤』人形修理、補修(加独韓合作子ども向け人形アニメ)
2003 EBS1『気になるピンポン/궁금해요 핑퐁』人形制作
2002 サムソン電子CF「チャング編」「新婚旅行編」人形関節制作

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パク・セホン 박세홍 PARK Sehong(『妖怪進撃図』監督)
人形アニメーションに使うミニチュアや人形の関節制作技師として、テレビシリーズ『ギャラクシー・キッズ1』(KBS1、2015~2016)や「サムソン電子」CF、チョン・スンベ監督作品『2人の少年の時間』など、さまざまなストップモーション作品に参加。初の監督作品である人形アニメーション『妖怪進撃図』(2018)は、「インディ・アニフェスト2018」で見事デビュー賞を受賞した。現在「活動人形工房」を運営、人形アニメーションを制作している。


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『妖怪進撃図 / 요괴진격도 / Monster Picture』
2018 / 07:13 / Puppet
「妖怪進撃図」は、掛け軸の封印から解放された妖怪と、科挙の試験に落ち続けて、出世や栄華のみを求めていた朝鮮時代のソンビ(士大夫)との物語です。日常の平凡で小さな幸せを見落として生きてきたことを、後になって悟るという内容を描いています。

Director’s note
出世や名誉、富、そして自らの目標という名分のもと、いつの間にか人が妖怪となって、誰かの犠牲と真心を見落としたまま生きるという最近の世相を、古典的な雰囲気の手作りの人形と、ミニチュアの背景が織りなす人形アニメーションで表現しようと試みました。


『妖怪進撃図』は花コリ2019 韓国短編プログラム1にて上映されます。
また大阪会場では監督をゲストにお招きし、監督トークだけでなく人形アニメーション実演講座を開きます。
*詳細は大阪会場ゲスト・イベントをチェック!
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