花コリ2018名古屋会場カン・ヒジン監督ミニトーク録

カン・ヒジン監督ミニトーク

日時:2018年8月5日(土)17:30の回 短編プログラム1上映終了後

ゲスト:カン・ヒジン(『花咲く手紙』監督)
祥明大学校アニメーション学科卒。在学中よりインディ・アニフェストのリレー・アニメーションに参加。2012年、卒業作品として『お婆の海』をハン・アリョムと共同制作。2016年『花咲く手紙』、2018年『お札の意味』を発表。現在Teacup Studioを運営。フリーランスとしても活動中。

司会:水野 舞(愛知淑徳大学創造表現学部2年)
通訳:南出 妃菜多(愛知淑徳大学交流文化学部3年)

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水野:監督は、アニメーション作品を作っていらっしゃいますが、なぜ、アニメーションを学ぶ大学に行こうと考えられたのでしょうか?

カン:小さいころに、友達と歴史について話すのが好きでした。その時に、歴史的な素材を、アニメーションが一番上手に表現できるのではないかと思い、アニメーションを専攻しました。

水野:ありがとうございます。アニメーションを作るのに、先日、お金がなくて、作れないとおっしゃっていたのですが、アニメーションの他に、何か仕事をしていますか?

カン:アニメーション制作以外では、現在、学校で子どもたちに漫画やアニメーションを教えています。また、企業と芸術をつなげる支援プロジェクトがあるのですが、その支援を受けて、現在6ヵ月ほど、それで活動しています。

水野:ありがとうございます。上映された3作品をみて、思ったのですが、どれも作風が徐々に変わってきているのではと思いました。監督が、こういう作風で作りたいと思って、毎回変えてきたのでしょうか?

カン:公式的には、違う雰囲気で作りたいという理由があって、変えて制作しました。非公式的に言えば、実は私には特定のスタイルがないからだと思います。
『お婆の海』に関しては、海の中を美しく表現したくて、色をたくさん使いました。
『花咲く手紙』では、白黒ですが、韓国の両極化している社会を明確に表現したくて、単純な色で表現しました。
実は、時間がなくて、いろんな色を入れられなかっただけです(笑)。正直に(笑)。

「Grandma Ocean」
『お婆の海 / 할망바다 / Grandma Ocean』
カン・ヒジン、ハン・アリョム、2012年制作
済州島の海女たちに対するインタビューをアニメーション化した、ドキュメンタリーアニメーション。海女の仕事の厳しさや魅力、海を愛する女たちの素顔が垣間見られる、温かくもかわいらしい作品。第16回ソウル国際漫画アニメーション・フェスティバル(SICAF2012)ノンコンペ招待部門、インディ・フォーラム2012招待作品。


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『花咲く手紙 / 꽃피는 편지 / A Letter that Blooms Flowers』
カン・ヒジン 강희진/2016/11:00/2D
脱北した20代の女性2人が韓国に定着していく姿を描いた、ドキュメンタリー・アニメーション。

Director's note
韓国に定着していく中で生じる出来事への、20代の女性たちの視線を表現したかった。



最後の『お札の意味』に関しては、韓国の文化的なことを表現するアニメーションはいろいろあるのですが、モーショングラフィックのような、広告によく使われる現代的なイラストで表現した作品があまりなかったので、私もドキュメンタリーアニメーションでよく使われるモーショングラフィックの練習もしたかったし、モーショングラフィックの作品を作ってみたかったんです。

『お札の意味/부적의 의미』フル動画(韓国語のみ)


水野:ありがとうございます。最後に、どうして監督は実写ではなく、アニメーションでドキュメンタリー作品を作ろうと思ったのですか?

カン:作りながら感じたことなんですが、実写でドキュメンタリーを作るよりも、アニメーションの方が表現できる幅が広がると思いました。例えば、海女のお婆さんが海に入るシーンを実写で撮ろうとすると、お婆さんが海に入る様子を見せますが、アニメーションで表現すると、海に入る時のお婆さんの心情を、絵で表現することができるので。


8月4日(土)に行われたイベントのトーク録も合わせてご覧ください。
花コリ2018名古屋会場『花咲く手紙』カン・ヒジン監督トーク録
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