「14Beat」ナ・ジョンイン監督スタジオ訪問記


「14Beat」ナ・ジョンイン監督スタジオ訪問記by KIAFA
(2010.12.23 KIAFA CAFÉより)

ナ・ジョンイン監督が入居した仕事部屋は、他ではない、1月のスタジオ訪問記のスギョン監督(「ロマンはない」)の新しい住処でした。北阿硯洞の[牽引地域]で、梨大駅の新しい仕事部屋に移って来たそうです。

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新しい仕事部屋のドアにスギョン監督の筆跡で「작업실/仕事部屋」と書いてありますね!

KIAFA:お招き頂きありがとうございます!5人で一緒に使っていると聞きましたが、今日はお一人ですね?
ナ・ジョンイン(以下ナ):みんなバイトに行ってたり画塾に行っていて、私は今日しなければならない作業があって夜を明かす計画です。後でスギョン姉さんも来ると思います。

KIAFA:入居したばかりとか。仕事部屋を一緒に使うようになった経緯とメンバー紹介をお願いします。
ナ:うーん…私が別のところでバイトをしている時にこの仕事部屋で一緒に使う人を探していると聞いて。すぐウンジ(「ロマンはない」ホン・ウンジ監督)に電話をしたんです! 一昨年と去年には「14Beat」の共同監督だったヤン・ジョンフン音楽監督と、その友達と3人で仕事部屋を使っていましたが、その2人は新しい場所に引越ししました。今この仕事部屋にはスギョン監督、ホン・ウンジ監督、実験映画祭で上映したキム・ジンジュ監督、それから絵を描く人が一人います。この前入居したシン・ヘジン監督(「9人の夫をもつ女」)がいますね。みんな出入りする時間はこれといって決まってないです。

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留守だという「ロマンはない」「ソウルに暮らす子猫」ホン・ウンジ監督の絵

KIAFA:みんな親しい方々だから面白そうですね!
ナ:一人除いて、みんな女なので、こないだもドラマ『成均館スキャンダル/성균관 스캔들』の話に花を咲かせていました。

KIAFA:じゃあ下ネタも?うちの事務局も女だけだから…ヒヒ。
ナ:あら、イヤらしい話はウンジが抑制します。彼女が倫理委員。ハハハ。

KIAFA:[牽引地域]と仕事部屋の雰囲気が似ているみたいですね。余白の美があるというか。冬なのに寒くはないですか?
ナ:家族たちみんながいる時は、お互いに人間暖炉の役目をしていてあまり寒くはないです。この間、すごく寒かった時は一人でいて、手がかじかんで作業が困難だった経験があったけれど、いつか私が5千億を儲けたら、冬にはニュージーランド、夏にはスイスにある別荘で制作するつもりです。地球温暖化を思って冷暖房は最小にするんです;

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KIAFA:あっ、5千億という数は?
ナ:ハハハ、それがですね…私が高校生の時、どこかで「エヴァンゲリオン」で4千万ドルを儲けたという記事を読んだことがあって。今もそうだけど、その時も為替や数値に対する概念がなくて、4千万ドルなら4千万ウォンではないだろうし、5千億位になるかな?と思って、私もその位は儲けなきゃ、と誓ったんです。

KIAFA:そうだったんですね!きっと儲けられますよ。お互いに違う事をする人々が一つの仕事部屋を使うのに不便な点はないんですか?
ナ:不便な点というより…助けられる方が多いですね。先ほど言ったように寒い時は、お互いの暖炉になって(笑)。特にここにいる人々が自分の制作だけでなくバイトもたくさんやるので、手が足りない時はお互いに手伝いあったり、仕事を紹介してくれたりするんです。

KIAFA:監督は機械工学科出身なのに、どうしてアニメーターになったのか知りたいです!
ナ:プハハ!!工大出身っていうのは、実は自嘲のニュアンスで言ったんです。卒業もやっとだったんです。でも不思議なことに、場違いというか、うちの科にこっち方面の仕事をするようになった人がちょっといました。音楽をやる人もいて。私が入学した時はなかったけれど、後で戻って来た先輩が「チョンヒョ~ン/정현아~」のカン・ジュヌォン監督です。(http://kiafa.org/kiafa2007/Ani_DB/Ani_view.php?film_idx=105)私がアニメーションに関心があってその人に聞いてみたら、どこでドローイング授業を受ければ良いかも教えてくれたし、ハンギョレカルチャーセンターで一応ポートフォリオを作って、韓国映画アカデミーアニメーション科に入学をすれば良いだろう…ということなど進学指導をしてくれたんです。

KIAFA:わぁ~。カン・ジュヌォン監督はうちの協会会員でもありますが、良い先輩ですね!それでも専攻と違う事を選択するのに困難や、難しいことがあったんじゃないですか。
ナ:そうですね. 私はあまり難しいと思わなかったです。私の弟が幼い時から車が本当に好きで。それでいつもタクシー運転手になりたいと言ったりしたんです(笑)。そんな感じで、何かが好きになれば私の弟のように“楽しみ”たがる性質があるかと言えば、私のように“作り”たがる性質があるようです。ただ私はアニメーションが好きで、それで自然に作りたくなったし、何か雄大なきっかけはないです。

KIAFA:「一日が暮れる時間の金じいさん/하루가 저물어가는 시간의 김씨 할아버지」「14Beat」など監督の作品を見ると、音楽が本当に重要な役目を果たしているようです。理由があるんですか?
ナ:一時期、音楽をすることが夢だったんです。幼い頃、ピアノもかなり長くやっていて、バイオリン、クラシックギターもやったけれど、教育をまともに受けたわけではないんです。クラシックギターの先生が専攻を考えてみたらという話も出たけれど、今考えて見れば、それは私が止めそうだから留めようと言ったことみたいでもあって…(笑)。とにかく、古典映画みたいなものなども音楽で先に接していて、後で映画を探して見るほどに音楽に関心が高かったです。でもモデム通信時代―その時はもちろん映像に接することもできなかったし、PC通信サービスで「耳をすませば」のクリップ映像を見たんだけれど、それが“カントリーロード”を歌う場面だったんです。あの時、ああ、こういうのをやってみたいと思いました。日本ではTWO-MIX(声優の高山みなみと作詞家の永野椎菜による2人組音楽ユニット)とか、アニメーションの声優たちが、本人ではないアニメーションキャラクターとしてアルバムも出して、さまざまな活動をするというのもちょっと影響を受けました。

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「14Beat」 (2009 / 0:09:06 / 2D, Cut-outs)

KIAFA:今、制作中も、音楽に関係していますか?
ナ:今やっているのは音楽の入って行く余地がないようです。何のプロジェクトをしているかは、まだ秘密です。ふふ。

KIAFA:「一日が暮れる時間の金じいさん」「14Beat」は技法が違いますが、制作する時、違いはありました?
ナ:「一日が暮れる時間の金じいさん」は3Dだけれどカットアウトみたいに見えるようにしようと思いました。アカデミー在学時代に作ったものだけれど、ツールを学んで行きながらやったために本当に大変だったんです。でも後でその作品を見ると、とても恥ずかしいんです!!!「14Beat」の時は、それでも使ったことのあるツールだから、完成してからもこれはまあ大丈夫だろうと思ったけれど、それでも後で見たら本当に恥ずかしいんですよ。「14Beat」は生活のためにバイトをしながら作ったものだったので、作品に全力をつくしにくかったけれど、「足たち / 다리들」のイ・ヘヨン監督、「水の記憶 / 물의 기억」(Link into Animated Korea2008で上映)のカン・ヒョニョン監督が当時、たくさん助けてくれたんです。一方「一日が暮れる時間の金じいさん」は学生の時の作品なので、全ての情熱を捧げることができたことが少しは違いますね。

KIAFA:二つの作品ともヤン・ジョンフン監督と一緒に制作したんですか?「14Beat」は共同監督でもありますね。
ナ:「~金じいさん」の場合は、当時アカデミー卒業制作の録音を全てヤン・ジョンフン監督がやりました。「14Beat」の時はPDが共同演出を提案したんです。でもあまりにも引き受けた分野が違っていて、全ての場面を一緒に構想したのではないです。もちろん仕事部屋も一緒に使ったし、私が引き受けた部分の話し合いをしたことはしたけれど。

KIAFA:お二人は実はアニメ界でうわさのインコカップル(と書いて鳥肌カップルと読む)じゃありませんか。アカデミーで出会ったんですか?
ナ:はええ。そうだ、ヤン・ジョンフン監督、今度シングルを出します! 歌は他の方がやって、作曲とプロデューサーを引き受けました。<花・目・蜻蛉バンド>といって“花粉が目に入り、カゲロウが食べた日”という意味です(笑)。私たちは最近助け合いをしていて、私の作品にヤン・ジョンフン監督が音楽をつくって、ヤン・ジョンフン監督の仕事に私が映像をつけるというもの。今やっている制作もその映像物ですが、ヤン・ジョンフンが優しすぎて、簡単にやってくれと言うんだけれど、今の状態では簡単すぎるかも(笑)。

KIAFA:ヤン・ジョンフン監督と一緒にインディ・アニフェスト2010の開幕式の司会をしてもらい、とっても感謝しています!お二人は衣装も合わせたようですが。
ナ:実は上手くできなかったんですけどね。以前、学生会の仕事をする時、あらゆる提案に拒絶にあい、ついた傷を思い出して、重荷を減らしてあげようとしたことなんだけれど、後で開幕式が終わってから、もうちょっと練習してからやれば良かったのに、と皆に言われたんだけれど、私達は早目に来て熱心に練習したんだけれど!(笑)。

KIAFA:でも、よくやってくれましたよ。ヤン・ジョンフン監督は、これで司会分かったも同然だって言ってたけれど?来年もやってくれれば良いのに!
ナ:他の人に頼んで!(爆笑) 私たちなんて、うまく炊けた釜にお匙を入れただけですよ(笑)。

KIAFA:今度のインディ・アニフェストでは最高の話題になったリレーアニメーション「ウサギとカメの物語だといってもわからん!」にも参加しましたね。編集まで引き受けてくださって!!
ナ:編集を引き受けたのも、実は断りにくくて…というか?(笑)。バイトで忙しかったら参加できなかったのに、ちょうど普段より暇でもあったし、面白い企画でした。初めは知り合いがカン・ヒョニョン監督しかいないと思ったけれど、会議で会ったらリレー1期がほとんどがアカデミー出身監督でした。冗談でアカデミー出てみんなやることがこんなにないのかと、ご愁傷様って言ってました。

KIAFA:アカデミー出身の監督たちが何かやろうという意志が強いんですよ。映画祭でもたくさんお目にかかります。
ナ:そうでしょう(笑)。お互いに会ってどうしてリレーアニメーションをやることになったのって聞いたら、みんな人に会えるからと言うんですよ。そうしたら自然にインディ・アニフェストにもしばしば参加するようになって。 IDカード発給を受けてからは浮かれて上映もほとんど毎日見て回るんです。実は制作をする時、アイディアを搾り出しても出るというわけじゃないじゃないですか。インディ・アニフェストで多くの作品を見ながら、インスパイアもされて。本当に良い機会でした。

KIAFA:監督は最近毎日忙しいようですね。
ナ:どうしても制作だけするということは大変ですね。生活をしなければならないからバイトも常にあって、去年までは次から次へと仕事をしたけれど、今年からはアニメーションに関した仕事ばかりしています。稼ぎは少なくなったけれど、いつかは私の制作に役に立つに値するバイトをしようという思いでした。5千億を儲けなければならないのにね!(笑)。

KIAFA:そういえばこの間YOGスタジオ訪問で聞いたんですが、水曜日ごとに監督たちが集会をなさるんですって?
ナ:それは…すごく偶然作られた集まりです。私とカン・ヒョニョン監督が元々私たちマンガ連帯で3か月ごとにやるクロッキーの授業を受けていたんだけれど、インディ・アニフェストが終わった月にキム・イェヨン監督がその授業に入って来たんです。そうして自然に水曜日の夕方授業が終わると弘益大で会ったんです。ちょうどヤン・ジョンフン監督と約束があったキム・ドンウク音楽監督と一緒に会っています。

KIAFA:監督のfacebookを見るとさまざまなことに関心が高いようですね。時事とか…最近の関心事は?
ナ:ハハハハ、これといった時事に関心が高くてニュースをたくさん見るというよりは、私がとても臆病だから。ある日戦争が起こったらどうしようってして注視しているんですよ。ヤン・ジョンフン監督とも戦争が起きて通信不能になったら、いつどこでどんな風に落ち合おうという約束もしました(笑)。最近の関心事と言えば…来年どうやって暮そうか?くらい? 今は外国語の勉強をちょっとしたいです。フランス語と日本語と。人文学の勉強もしたいんです!

KIAFA:臆病ですか?そうは見えませんが-_-+
ナ:私、本当に臆病です。地下鉄に乗っている途中、急に止まると他の人は何ごともないようにしているけれど、私は冷や汗かいて、ぶるぶると震えます。バスに乗って通いたいけれど、家からここまで路線がなくて;; アカデミーに通う時、ちょっと人のいないコンピューター室で徹夜作業をしていたら、今はカン・ヒョニョン監督のご主人であるクァク・イングン監督が面白い話をすると言うんです。ちょっと聞いているとこれが様子がおかしくて、それで怖い話なら聞けないって言ってるのに、怖くないからもうちょっと聞いててごらんって言うから、それでもうちょっと聞いてたらやっぱり怖い話で、結局最後まで聞いちゃって、とても怖くて、その場でえんえんと泣いてしまいました。クァク・イングン監督も私が怖がりではないと思ったんですよ。それで誰かが、私が臆病だから人間の恐怖を扱うアニメを作ればいいんじゃないって言ったけど、私にとってはとっても怖いのを作ったのに、他人にはあまり恐ろしくないものができそうだからやらないと言いました(笑)。

KIAFA:時間を割いてくれてありがとうございます。終りに超簡単な質問をいくつかします。監督にとってfacebookとは?
ナ:あっ、スマホもないのに!(笑)。新しい疎通の場?自分ばかりの空間ではないのでもうちょっと生産的な空間のようです。他人が投げておいた話題を見ながら一人で悩みに陷ったり、あれこれ分かるようになったり、刺激を受けます。ホン・ハクスン監督が“いいね”がfacebookの花だと言った時、スルーしていたんだけど、他の掲示板でコメントを読んでたら“いいね”ボタンがないのがとても不便なことあります(笑)。私は実はホ・マンジェ監督のfacebookとは?が一番気になる(笑)。

KIAFA:では監督にとってヤン・ジョンフン監督とは?
ナ:“いいね”!
★ナ・ジョンイン監督とヤン・ジョンフン監督は2012年に、めでたくご結婚されました~★

KIAFA:ふふ。お二人にカップルカバンがあるという事実が。ヤン・ジョンフン監督は赤い猫のカバン、ナ・ジョンイン監督は黒い猫のカバン…監督にとって猫とは?
ナ:可愛らしい存在?猫カバンは梨花女大を歩いている途中見つけたんです。いつか交換して使いたいのに、ヤン・ジョンフン監督があまりにも赤が好きで…(笑)。

KIAFA:では監督にとって赤色とは?
ナ:ヤン・ジョンフン。お酒を飲んだ。

KIAFA:監督にとってお酒とは?
ナ:うん…。良い話ができる媒体?私、お酒が本当に好きなんだけれど、お酒自体が目的な時はないんです。

KIAFA:最後に童顔の秘訣は?
ナ:物心がないこと!

いつも活気に満ちたように見えるナ・ジョンイン監督とのインタビュー時間、とても楽しかったです!
今、制作している作品、来年にはみることができますかね?
いつか必ず5千億稼げるように祈って、記者はこれで。

★ナ・ジョンイン監督は、花コリ2011の時に、「14Beat」のキャラクターを使って震災メッセージを送ってくれました★
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■ナ・ジョンイン
・「14Beat」(2009 / 09:06 / 2D, Cut-outs)*花コリ2010で上映
・第1回リレーアニメーション「ウサギとカメの物語だといってもわからん!」
・「恋愛のはじまり/연애시작」(2011 / 03:48 / Puppet他)
・第3回リレーアニメーション「千ウォン放浪記/천원 방랑기」
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