デザイナー:イ・ジナ氏スタジオ訪問記

インディ・アニフェスト デザイナー:イ・ジナ氏スタジオ訪問記
by KIAFA
(2010.08.05 KIAFA CAFÉより)

花コリのチラシは毎年、親元である韓国現地のインディ・アニフェストのデザインを使っています。(花コリ2011は番外編でホン・ハクスン監督のイラストでしたが)そのデザインを2006年から担当しているイ・ジナ氏。本の装飾も多く手掛けていて、書店に行って表紙を見れば、イ・ジナ氏の手掛けたものはすぐにわかります。実は日本語ぺらぺら。日本のバラエティとジャニーズ好きのおかげとか?(笑)。同じく日本のアイドル好きなKIAFAの名物事務局長チェ・ユジン氏と共にいつもアイドル談義をしています(笑)


花開くコリア・アニメーション2013東京会場のチラシがついに、できあがりましたっっ!!
今回は青でっす! イ・ジナ氏のイラストがにぎやかに散りばめられていますね!
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2006年からインディ・アニフェストのポスターとパンフレット等の各種デザイン全般を引き受けているイ・ジナ、デザイナー!
おかげさまでインディ・アニフェストの宣伝物は高いクォリティーをキープしています。
日本のアイドルとコメディアンが好きで、日本にもしばしば行って来るという彼女!
日常に溶け込んだ趣味と関心事が、イ・ジナ デザイナーの絶え間ないアイディアの源泉になっているのではないでしょうか?

KIAFA:こんにちは!お招き頂きありがとうございます。本が本当に多いですね?
イ・ジナ(以下ジナ):マンガ本が多いでしょう。

KIAFA:仕事部屋、こぢんまりしていますね。突然尋ねて来ちゃったようで。何の作業をしてたんですか?
ジナ:インディ・アニフェスト2010のポスターです(笑)。明日までにあげることにしたから、熱心に仕上げ中です!家に部屋が2つあるんだけれど、今、仕事部屋で使うこの部屋にいると、本を読んでも絵を描いても何かをしなければならないような気がします。自分をむち打つ部屋と言うか?寝室から仕事部屋に、“出勤”するわけです。ベッドがある部屋では作業ができないって創作者なら皆、共感するでしょう。ふふ。

KIAFA:インディ・ニフェストと仕事することになったきっかけは?
ジナ:2006年度当時インディ・ドキュメンタリーフェスティバルのポスターを引き受けていたんですが、第2回のインディ・アニフェスト実行委員だったミン・ジェウン監督がインディ・ドキュメンタリー側に(私を)紹介して欲しいとのことで紹介され、初めてインディ・アニフェストの仕事をするようになったんです。それが<天高ani飛>(2006年のスローガン)でした。その後、今の事務局長のチェ・ユジンさんと仲良くなって、今もずっと続けてやってますね(笑)。

KIAFA:そうだったんですね。じゃあインディ・アニフェストも紹介を通じて出会ったそうですが、主にそんな風に紹介で仕事が入って来るんですか?
ジナ:普通そうです。それかホームページを通じてコンタクトして来たり…。それまで私がして来た事が、個人的な財政に大きな助けにはならないないとしても、露出が多い映画祭ポスターみたいなのが多くて、そういう機会を通じて仕事がたくさん入ってきます。インディ・ドキュメンタリーや、インディ・アニフェストみたいな場合、特に制作する人の自由度を尊重してくれるようで、まるで私の制作をするように楽しくやっています。それで私には大きいポートフォリオになるようです。例えば他の作業が入って来る時も、インディ・アニフェストのようにしてください、と注文してくるとか、そんな感じで恩恵を受けているんですよ。

KIAFA:主に映画祭のイメージ作業をたくさんするんですね?
ジナ:この頃は、本の挿し絵の作業もたくさんします。 前はデザインを主にしていたんですが、最近はイラストをたくさんやっています。私と作業を一緒にするイ・ヘギョンという子がいるんだけれど、その子は主に編集デザインをして私は絵を描く方式です。イ・ヘギョンさんは写真で、私は絵で、各々得意で好きな方面で働いています。

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*イ・ジナ氏が手掛けた本たち
吉田修一の『女たちは二度遊ぶ/여자는 두번 떠난다』 『初恋温泉/첫사랑 온천』 『春、バーニーズで/거짓말의 거짓말』や角田光代の『この本が、世界に存在することに/이책이 세상에 존재하는 이유』 『おやすみ、こわい夢を見ないように/죽이러 갑니다』、池井戸潤『은행원 니시키 씨의 행방』があります。
ちなみに『春、バーニーズで』は韓国語の題名は『嘘の嘘/거짓말의 거짓말』、
『おやすみ、こわい夢を見ないように』は『殺しに行きます/죽이러 갑니다』になっています;


KIAFA:イ・ジナさんが作ってくれたポスターやチラシはいつも反応がいいようです。派手でカラフルで人目もひいて。
ジナ:常に面白く作ろうと思っています。インディ・ドキュメンタリーみたいな場合、もうちょっと環境に対するイメージがたくさん入って行って、インディ・アニフェストはもっと騒々しいのと想像力を吹き入れる感じ?私も制作しながら多くの刺激を受けています。インディ・アニフェストを見守りながら私もアニメーションまではいかないとしても、動く絵を作ってみたいと思います。例えばポスターイメージと延長線上にあるトレーラーみたいなものとか? 5年目となるインディ・アニフェストとともに仕事しながらも時たま疑問になる点は、どうしていつも私に任せるのか?って思うんです。嫌だというんじゃなくて(笑)。毎年他のコンセプトで行くこともできるはずなのに、一人で続けているとどうしてもスタイルの変化に限界があるんじゃないか、しかもインディ・アニフェストは、準備する人や参加する人が皆イメージを扱っていて、絵を描いてアニメーションを作る人なのに、イラストを描く私が重要なポスターを引き受けてもいいのかな?と思ったりします。それで実はキャラクターを作ってスローガンやコンセプトによってこの子達をいろいろ動かしてみせてるんです。去年にはこんな感じで、今年はこんな感じで遊ばせて、そういうものを見せたいというか(笑)。なんかそんな点でトレーラーに興味を持ったのかもしれないですね。近くでアニメーション授業をやるところがあるなら聞きに行くつもりです。うふふ。

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*右2つはインディ・ドキュメンタリーフェスティバルのポスター

KIAFA:去年(2009年)定期上映会(KIAFAでは定期的に上映会をしている)のチラシが良かったという話をたくさん聞きました。ポスターとチラシのスタイルがそれぞれ異なるようですが。
ジナ:どうしてチラシは目を引かなきゃいけない、という目的意識が一番重要で、ポスターはその映画祭のイメージとその年のスローガンと…。そういうものなどが含まれなきゃいけないので象徴が多いです。パンフは一応目立たなければいけないから、もうちょっとライトにして面白く行こうと思うんです。二つともディテールやクォリティーみたいな部分は自分自身が自負心を持ちえるくらいの真心を入れています。

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KIAFA:そういえばイラストがほとんどキャラクター中心ですね。去年のポスターを見てもそれぞれのキャラクターが皆ストーリーを持っているような感じがしますが、実際にモデルみたいなのがあるんですか?
ジナ:これといったものを念頭に置いてないけれど、その時に熱い本や映画、マンガみたいなもの影響を受けて無意識的に表現されるようではあります。後で見ると、そういうものが見えて、ひとりで楽しんだりします。この間、韓国で超大きいマンボウがつかまったというニュースをきいて、今年(2010)のポスターにはマンボウを一匹入れました。すごく大きくて硬い子が、ちっちゃな口でくらげを食べて暮らしていたのに、つかまって横になっているのを見たら可哀想だったんです。今年のバッチにならないかな?(笑)。

KIAFA:インディ・ドキュメンタリーフェスティバルや大学生平和映画祭など多くの映画祭の仕事をしていますが、インディ・アニフェストの仕事をする時、特に重点を置く部分は?
ジナ:そうですね…。私がインディ・ドキュメンタリー10年目なんですが、そういう問題に対しては毎年よく分からない。今さら“これは映画祭です”というふうに見せる必要はなさそうだし、インディ・アニフェストは他の映画祭より、もうちょっとふざけて、キャラクターがもうちょっと説明的でもいけると思いながら作業します。スローガンやコンセプトをもらえば、そこに合わせて私一人でストーリーやモチーフを作ってみたり、一応キャラクターが大体決まれば、どんな状況でも作ることができます。毎年完全に新しいのよりは、後で集めて見た時、絵本のように繋がるのが面白いでしょ?

KIAFA:2006年に始めたからもう5年(記事当時は2010年なので)もインディ・アニフェストと一緒ですね! 難しい点はなかったんですか?
ジナ:2008年“狂乱の交差点”の作業をする時、建物を密集させて一枚の中に終わらせてみよう!という意図でレイヤー分けしないで、一枚でポスターを描きました。最初描く時もとても大変で吐きそうだったけれど、後でポスターイメージで他の作業をする時、特に垂れ幕を作る時に本当に苦労しました。あんな方法では二度と作業しない(笑)。


*インディ・アニフェスト2008のポスターイメージは「Link into Animated Korea2009」のチラシに使われました。
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KIAFA:仕事をしない時は主に何をしているんですか? 最近は何に関心を持ってますか?
ジナ:いい質問! 仕事のことだけ聞く質問じゃあ書面でも可能だしね。周辺で影響されるものや、私にテンションを起こすもの、日常的で原初的なものなど…。私は元々推理小説が好きで、これ面白いですよ。『スミラの雪の感覚/Smilla's sense of snow』(ペーター・ホゥ)そしてセットで一緒に読むと良いのが『グリーンランド-地球の中心を歩く/그린란드 지구의 중심을 걷다』そして私の好きなポイントがぐいぐい入っている本、『北極の涙/북극의 눈물』!超おススめです。そしてこれ、『高齢化家族/고령화 가족』(천명관:チョン・ミョングァン*映画化)本当に笑わせます。100人に薦めれば100人、皆面白いって言いますよ。

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*左から『グリーンランド-地球の中心を歩く/그린란드 지구의 중심을 걷다』
『スミラの雪の感覚/Smilla's sense of snow』、『高齢化家族/고령화 가족』

ジナ:あ、あとこの本もけっこう感動的です。『私は共産主義者だ / 나는 공산주의자다』(ホ・ヨンチョル、パク・コヌン)読み終わると朝鮮戦争に対する考えが変わりますよ。これは中を見せないと。全部版画になっています。芸術です!この出版社(ポリ出版)本当にすごいんですよ。そして最近私が大好きなマンガ『猫絵十兵衛 御伽草紙』(永尾まる)!

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『私は共産主義者だ / 나는 공산주의자다』(ホ・ヨンチョル、パク・コヌン)

KIAFA:うわぁー!こういう所からアイディアを着眼するみたいですね。
ジナ:そうです。普段見るものや、やることなど、皆制作と一体化になっています。私は他の探訪記やインタビューを見ながらいつも思うものが、インタビュアの日常生活を見せてくれれば本当に良いなあと思うんです。アイディアの源泉とか、私にも刺激になるものは盗み見るのは皆好きだから。出版雑誌やWEB誌みたいなので、そういうものを見ていれば慰めにもなって、ありがたいです。井上 雄彦の『バカボンド』を見るとそういう話が出てくるじゃないですか。空高く飛ぶ鷲が見る時、地面にいる蟻は前に進むのか後ろに行くのか分からない位小さな存在だけれど、実は蟻は熱心に進んでいるということ。自分自身が成長しているという考えが妙に入っている時が、一番気持ちがいいです。だからあれこれたくさん見て学ぼうと思います。私は自然ドキュメンタリーも好きです!『Wild China(BBC)』や『National Geographic』、「Planet Earth(BBC)」みたいなものなど。見ながら一人でお酒飲んで、胸を打たれて泣いたり…(笑)。フリーランサーの仕事と言うのは、その時その時違うけれど、時間の多い時は主にドキュメンタリーを見ようと思います。

KIAFA:趣味生活が本当に多様ですね。本と、放送と、運動も好きだと聞いたけれど!
ジナ:恋人がいないから! 私さびしいです!プフフッ。この間までスイミングやってたけど、最近はジム通いばかり。年を取ればとるほど健康が一番重要だという気がします。最近は朝起きるのが健康に良いというのを鵜呑みにして一日を始めます。一日中作業をしてると身体が私の体ではないような。健康でいれば楽しく、面白く、長く生きられるのに!目がかなり悪くなったけど、この間レーザー手術をして生まれ変わりました!!(笑)。それ以外は日本のアイドルが出る放送を見るとか、友達と冗談言いながらお酒を飲んで、どうにかして旅行に一年に2回は必ず行こうと思ってます。

KIAFA:まさに生活と仕事の一体化ですね!
この仕事をするきっかけは?
ジナ:初めは10万ウォン映画祭にスタッフとして入って、ポスターを作ってみろという注文を受けて、ほとんど遊びの概念で始めたんです。それが24歳の時だったけれど、インディ・ドキュメンタリーフェスティバル1回目の時の私に50万ウォンで、ポスターとカタログとデザインを任されたんです。あの時が初めてこの仕事にお金をもらった時です。その後は他の紹介を受けて仕事が入って来る方式で、仕事をしていたら、増えたケースと言えます。

KIAFA:最近では、やるべきことをあらかじめ決めておいて、それに従って経験を積む場合が多いと思うんですが、イ・ジナさんみたいな場合はじめからフリーランサーで仕事をしてたんですね。
ジナ:運が良かったとも言えます。私が今まで出会った縁があったので。そういう一つ一つがきっかけになりながら領域が広くなったんですよ。 多分はじめからではなくても結局は、今していることを何かしらしていたと思います。幼い時、夢が本を作ることだったけれど…うーん、今すぐしたいことは先言った映画祭のトレーラーみたいなとても短い動画、visual joke みたいなものを作ってみたいです。10年以内に完全に私の作品で作った本を出して、展示をしたいです。いつか必ずしなくちゃ、必ずやる、と心の足枷のように感じていれば必ずできると思います。私が20歳の時、今のような生き方を夢見ていたんですよ。蟻がゆっくりこれから進むように、私もそうするんですよ!(笑)。

KIAFA:うちのチェ・ユジン事務局長と会えば日本の芸能人の話をたくさんすると聞きました。
ジナ:日本文化に影響をたくさん受けた方です。家の雰囲気も助けになったんです。昔からマンガが好きで、私の青春はそういうものに取って代わった(笑)。日本特有のイラストとか、建築物も好きで、日本式茶道も好きです。私とコードと趣向、そういったものが合うようです。侵略の歴史がなければ、堂々と言えたのに!(笑)。

KIAFA:そうですね。コード! 日本風の可愛らしさが似合うようです。日本語も上手でしょ?
ジナ:日本語は自然に上達しました。私は「不思議の海のナディア」、「未来少年コナン」が好きでした。プッ!

KIAFA:よくポスターとリーフレットのデザイナーを紹介して言われますが、やったー!と思いながらも忙しくなれば私たちの仕事に差し支えがあるか心配で…;;。
ジナ:ハハハ。大丈夫ですよ。でもだんだん情勢が良くなっていくでしょ?こんな風にして少しずつ前に歩いていきながら、イ・ジナだけができるモノを作り上げたいです。見れば楽しくて、手にとってみたくなる物、私の絵がちょっと飾り的なきらいがあるけれど、ファンシーな、持ちたくなる、そんなイメージに捕らわれすぎているのかもしれないけど。

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KIAFA:もうイ・ジナ デザイナーだけのスタイルがあるようですが?(笑)。それではこれからの計画は?
ジナ:固着せず、変わりたくて。もっと上手くなりたい。依頼のある仕事をちょっと減らして、自分の制作をしたくはあるけど、まだ頭の中にだけあるようです。ちょっとしたことでも私の創作物をためておくとか、訓練するとか、習慣づけなきゃいけないんだけれど…。それでもそういう宿題を常に思っていればそれがきっかけになるようです。

KIAFA:はい。大事な時間を割いていただきありがとうございます。最後に簡単な質問をいくつかします。
イ・ジナ デザイナーにとってインディ・アニフェストとは?
ジナ:うーん…馴染みのクライアント?プハハ。一緒に勉強して、成長する存在。インディ・アニフェスト、本当にすてきな映画祭が、いっしょに成長する映画祭になったらと思います。我が国にはそういう映画祭が必ず必要です。

KIAFA:日本のアイドルとは??
ジナ:紅参!滋養強壮剤!血管注射?!ウフ!!

KIAFA:猫とは?
ジナ:あ、待って、描いてあげる。

急にササッと絵を描く!
果してイ・ジナ デザイナーにとって猫とは…?

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"내가 고양이다 냐~(私が猫だ ニャ~)"

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ジナ氏お手製の猫の人形。


自らを運が良くて幸せな人と言うイ・ジナ デザイナー!
本当に愉快な時間でした。
一生懸命身体を作って週末にあるKAT-TUN来韓コンサートに行ってきて、
今年のインディ・アニフェストもよろしくお願いいたします+_+


イ・ジナ氏のブログで本の挿絵等、その他の作品が見られます。
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