チョン・ジュア「幽霊の記憶」スタジオ訪問記by KIAFA


チョン・ジュア「幽霊の記憶」スタジオ訪問記by KIAFA
(2013/1/24のKIAFA CAFEより)

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KIAFA:ここの場所が城山洞と聞いて、この近くにある麻浦青年創業センター(「City」のキム・ヨングン、キム・イェヨン監督のスタジオYOGがいる)にいると思ったんですが、広い団地にあるアパートがスタジオなんですね。小ぢんまりしていて。ここに決めた理由は特にありますか?
チョン・ジュア(以下ジュア):前からこの町内にずっと住んでいたんです。このアパートに長いこと住んでいたし、慣れ親しんだところでもあり、ワールドカップ競技場の方に行くと値段が高いけど、ここら辺は安いので。
KIAFA:家がすっきりしてますね。新しい家みたい。光もよく入ってきて。
ジュア:セントラルヒーティングなので暑すぎる時もあります。窓を開けておくと寒くて、閉めれば暑くて。

KIAFA:そうだったんですね。監督の特別な経歴と言えば、フランスは外せませんね。フランスにはどの位いらっしゃいましたか?
ジュア:だいたい4年位いたと思います。前にいたのまで合わせれば5年?
KIAFA:学校のためにいってたんですか?
ジュア:3年は学校に通ったんです。1年は作家レジデンスプログラムをやりました。そのプログラムをしながら制作スペースや機資材などをサポートしてもらいながら展示の機会も得ることができて良かったんです。家のサポート受けるとか、または、三分の二くらい補助金が出るんです。それで1年の間制作をし、他の1年はフランスに交換留学生とし行ったことがありました。

KIAFA:学部の時からアニメーションをしていましたか?
ジュア:
元々は仏文科出身だったんです。アニメーションは以前からしたくて美術の予備校にも通ってみて、たくさん映画祭に見に通いました。パリに交換留学生で行った時にもアヌシー映画祭にも行ってる間、韓国の教授の方々に会いました。縁ができて相談も受けるようになって。出会った教授がいた科に入ることになったんです。大学院が終わって修士として留学に行きました。

KIAFA:視覚デザイン科も多様で細分化しているじゃないですか。その中で特にアニメーションを選択した理由は?
ジュア:ずっと絵を描きたいという思いがありました。論理的と言うよりは感性的に絵にひかれたようです。アニメーションの映画祭にもたくさん行って見て、学部の時もたくさん通いました。それとともに私とは違う人々がすると感じたことがストーリーテーリングなどをやってみながら、“あ、私もこの分野でうまくやれることがあるかも”という気がしたのです。今考えて見ればストーリーテーリングの強いアニメーションをやっていないけれども(笑)。

KIAFA:両極端に言えないけれど、ストーリーの強い作品があって、叙事よりキャラクター中心にいく作品がある時、監督はどちらだと思いますか?
ジュア:どちらかの傾向が強いアニメーションがたくさん登場するけど、後で見ればどちらがより重要かと言うよりは、動作と動きが重要だと思います。アニメーションをしながら生きていること、生物の動きが私には一番重要だったようです。

KIAFA:制作パターンはどんな感じですか?普通規則的に正確なパターンを持って制作する方々、自由に制作をする方々がいますよね。先日スタジオ訪問で連絡をした時、朝早かったけれど、すぐに返事が来て驚きました。制作者の中では、夜遅くまで作業して、朝は眠ている人が多いから。
ジュア:規則的にする方です。朝9時半分位から始めてお昼を食べて、また作業しながら午後6時にはできるだけ終わらせる方です。夜に作業するのがあまりできない方なんです。仕事というのがそうじゃないでしょうか。したくてする仕事だけれど、いつも楽しくさえない時もあって。朝は辛いと思う前に、言わば理性が覚める前に早く起きて作業をする方です。朝の時間が集中度も一番高くて、作業が進みます。

KIAFA:規則的に作業を日常化するというのは容易いことではないと思うけれど。それでは作品の話に移りましょうか。監督の作品はタイトルが印象的です。一応、初作品「こんな行儀ないヤツの言うこと/이런 싸가지 없는 놈이 하는 소리」はインディ・アニフェスト2007でKIAFA特別賞を受賞しましたね。 インディ・アニフェストの印象は?
ジュア:インディ・アニフェストは…初めて?初めての作品だったし、映画祭で初めて上映され、賞をもらったのも初めてでした。ホント、全てのことが初めてね…。

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「こんな行儀ないヤツの言うこと/이런 싸가지없는 놈이 하는 소리 / What this naughty boy has to say」
(2007/07:50/2D Computer,Drawing,Cut-outs)
*インディ・アニフェスト2007でKIAFA特別賞を受賞。受賞をきっかけにKIAFA会員になる

KIAFA:フランスにいたからインディ・アニフェストにしばらく来る事ができなかったでしょう。監督の記憶の中のインディ・アニフェストはどんな映画祭でしょうか?
ジュア:インディ・アニフェストで今、知っている人々にたくさん出会いました。監督たちや、うーん、インディ・アニフェスト準備期間にも他の人々にたくさん出会うじゃないですか、それでお酒も一緒に飲むようになって、それとともに人々にたくさん出会えて面白かったです。2008年に実行委員で参加してパーティーや映画祭期間の間準備に参加もしたんです。消極的に…(笑)。
準備期間にホン・ドッピョ監督とソウル駅の近くにあるロッテマートで買い物したんですがホン・ドッピョ監督のおかげで日本人に間違われたこともありました(笑)。

KIAFA:もらった賞金を何に使ったか気になりますね。
ジュア:機械を買いました。記憶が曖昧だけど。スキャナーだったかな。

KIAFA:作品についてですが、「こんな行儀ないヤツの言うこと/이런 싸가지 없는 놈이 하는 소리」と「幽霊の記憶/귀신의 나쁜 기억」がありますよね。その前にも作品あるんですか?
ジュア:初めての作品が「こんな行儀ないヤツの言うこと」です。初めて聞くとお年寄りがすごく驚きます(笑)。こんな行儀ない…、こんな行儀ないヤツが…って言うからびっくりするみたい。

KIAFA:面白いですね。「こんな行儀ないヤツの言うこと」という作品の話題が“不良”と見られるんでしょうか?直説的な題名が非常におもしろいです。大部分直説的な題名をみんな避けるのに避けずに単刀直入に近付く面が面白かったです。この題名を選んだ理由は?
ジュア:制作は2年間でしたが、テクニックを学ぶ段階だったし、題名を面白く作りたかったです。制作の終わりに決めた名前なのに、何か衝撃がありながら反転がある名前をつけたかったし…。内容も記していなければならなくて。
見えるのが全部のようだったけれど、私たちの分からない言いたいことがあり得ると考えました。「幽霊の記憶」も同じで、わがままな子が言いたいことがあるというのが反転を与えるという気がしました。題名でも引き付けなければと思ったんです。

KIAFA:「幽霊の(悪い)記憶」という題名もすごく悩みましたか?
ジュア:はい、かなり悩みました。「~の悪い記憶」という単語を思った時、必ず使いたかったんです。例えば、スイカの悪い記憶と言うこともできて。その後に幽霊に対するアニメーションをやりながら関連をつけて見るようになったし、意外な人物が、話せない悩みをする状況に対するもの、という考えで、「幽霊」と 「~の悪い記憶」という単語を組み合わせるようになったんです。

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「幽霊の記憶 / 귀신의 나쁜 기억 / Bad Memories of the ghost」
(2010/07:20/Cut-outs他)*花コリ2012で上映

KIAFA:題名にも趣向があるようですね。二つの字だけで題名をつくる監督さんもいますよ。トレンドが入った題名もあるようです。監督には長文の題名が似合ってますね。「真実の男/진실의 남자」もそうですが、いつも人物がいれば修飾語が付くような感じもするけれど。人に対する愛情が多いようです。
ジュア:ええ、私も短い題名よりはそういうのが好きみたい。

KIAFA:「こんな行儀ないヤツの言うこと」を見ると、空間が引っ繰り返るのが面白いです。路地を歩いている途中で窓格子になって、空間がまた生じて、主人公がお金を奪う時もパックマンで表現した点が非常に新しかったです。 作業する時は、その時々でイメージを集めているんですか?それとも即興的に動かしますか?
ジュア:大部分はストーリーボードで作っておいて始めます。ディテール的な面は即興的にする方で、大きい骨格は決まっているけれど、詳細なタイミング、感情表現、場面転換等は即興的にやります。

KIAFA:「幽霊の記憶」は皆が恐ろしがる幽霊を素材にしていて、幽霊も悔しいと吐露していたけれど。
「こんな行儀ないヤツの言うこと」もそうですが、“不良”の話題を外せませんね。抑圧を嫌やがるのか。普通の人々が恐ろしがる象徴の幽霊を特別に素材で選んだ理由は?
ジュア:抑圧が嫌いというより、“悔しい”のが嫌いなようです。“悔しい”というのが“一番悲しい”の中の一つだと思っています。
「こんな行儀ないヤツの言うこと」も「幽霊の記憶」もそうで、ある偏見のために悔しくなるのじゃないか、でも自分を防御することができなくて、そんな風に暮すことが本当に悲しいと思います。私が幽霊であると仮定した時、本当に悲しすぎると思いませんか?

KIAFA:はい…。二つの作品を見ると、人物が偏見に対して消極的なり、積極的なり、対抗をしますね。実際、監督が人に偏見の目で見られていると感じるのですか?
ジュア:うーん…。いいえ、私はそんなんではないです。むしろ攻撃性がない人と思われてるみたい。私が自分を適切に防御できずに、自分が攻撃を受けるようになればお手上げだ、という恐ろしさがあるようです。それで攻撃する能力がない人々に対して感情移入をするようです。

KIAFA:“人物”に対して説明したい欲求と言いましょうか、人物をたくさん活用してるのをみると、人物に対する愛情が多いようですよ。
ジュア:折々ごとに違うようだけれど、人物を通じて話すと、私が伝えたい考えがうまく伝わるようです。

KIAFA:「幽霊の記憶」ではインタビューが入っていていて面白くて、新鮮でした。
ジュア:実際の対比を見せたかったんです。アニメーションというのがある意味虚構的なことが多いでしょう。アニメーションが虚構的なことなら実際の現実はドキュメンタリーのように見せたくて、幽霊が可哀想だという感じと、人々は実際こういう風に考えている、ということに対する実際のインタビューを見せたかったんです。ドキュメンタリー的なショックを与えられないかなぁと思いました。

KIAFA:キャスティングを直接したんですか?それとも知人を通してインタビューしたんですか?
ジュア:出演した高校生は甥っ子たちです。

KIAFA:幽霊を恐がらないようですね。
ジュア:目の前に見えたら恐ろしいけれど、人とまったく同じ姿なんじゃないかな。例えば私が幽霊になることもできるんじゃないか、私が幽霊になって、幽霊映画を見ながら恐ろしがる人々を見ると可哀想。恐ろしかったりします。

KIAFA:幽霊が本好きという設定が独特です。監督も本好きですか?
ジュア:はい、本が好きです。幽霊の設定は前からあったけれど、私が心から感情を没入するには、私が幽霊に感情移入をしなければと思いました。どんな幽霊なら恐がらないで感情移入ができるかと考えた時、私が本好きなように、幽霊が本好きだったら切なくて感情移入できりだろうと。

KIAFA:どんな種類の本を読むんですか?好きな作家は?
ジュア:いろんな本を読む方です。マーライ・シャーンドル(MARAI Sandor:ハンガリーの小説家)でやミラン・クンデラ(Milan Kundera:チェコの小説家)が好きです。「人間失格」を書いた太宰治も好きです。

KIAFA:「人間失格」が好きで、その名前をつけたお店もあるって。
ジュア:その作家のユーモラスさが良いです。自分の惨めな話をユーモラスに紐解いて行くのが気に入っていて好きです。

KIAFA:韓国国内ではどんな作家さんが好きですか?
ジュア:朴婉緒(박완서:パク・ワンソ)が好きです。「裸木/나목」を読んでとっても好きになりました。

KIAFA:最近脚光を浴びた黄貞慇(황정은:ファン・ジョンウン)の「百の影」も良かったですよ。その短編の中でダニー・デヴィート(Danny DeVito:アメリカ)という文章があるんですが、素材が幽霊です。一度読んでみてください。
ジュア:私はまだそれでも薄っぺらな読書人のようです。古典みたいな検証された本だけ読みたがって。
うーん、面白くて、スリルあって起承転結が、がっちりしている構成よりは特別な内容がなくても、ディテールのある小説を好むようです。

KIAFA:本を読むことは制作に役に立ちますか?
ジュア:はい、非常に役に立ちます。
KIAFA:単調な小説が好きだと言いましたが、ストーリーの明らかな本は嫌なんですか?
ジュア:楽しさがないという気がします。興味を構造、 例えば、次に何が来るかと思うことから感じるのではなく、今読むこのページ自体で楽しさを感じるようです。

KIAFA:「こんな行儀ないヤツの言うこと」では尹文植(윤문식:ユン・ムンシク/タレント)の声が入っていたけれど。
ジュア:あら、本当ですか?それは完成品じゃないです。廃棄してください。音楽をやる人と作業して、アニメーションの動きにシンクさせたバージョンを見ないと。そのシンクが面白いです。

KIAFA:では、次の作品は進んでいますか?
ジュア:「真実の男」を制作しています。カットアウトの作品です。

KIAFA:監督の作品を見るとカットアウトをたくさん使ってますが、カットアウトを特に使う理由は?
ジュア:カットアウトは一人で作りやすくて、充分にコントロールができます。顔の表現、動作の表現がすごく細密にできて、手で描いた絵をベースに使うため、私に合ってると思います。

KIAFA:全部一人で制作したんですか?
ジュア:ええ、サウンドを除いて。「幽霊の記憶」の声は演技する劇団の人々と交渉しました。

KIAFA:作品を一つ進めるのに、どれくらいかかりますか?
ジュア:2年位かかったと思います。一つの作品をするうちに他の制作も一緒にやります。今度の「真実の男」は木にドローイングしたもの、布地にドローイングした作品を一つの空間に一緒に展示しました。アニメーションをプロジェクターで上映しながら他の媒体とどんな風似合うのか見ようと思った作業です。

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KIAFA:では、フランスの話を。経歴が珍しいです。 アングレーム(Angoulême)美術学校?
ジュア:訳そうとすると長いけど…アングレーム国立美術学校と言わないとかな?純粋美術学部を専攻しました。詳細専攻ではニューメディアアートです。アニメーションのための学校ではないです。カトーンニストが別にあるけれど、私の入った所はフレームにのめりこんだ制作をしないことを重要視し、それが良くて入りました。アニメーションも重要だけれど、他のジャンルとアニメーションを交ぜることも重要だと思います。それが一番私を刺激することで、どのようにすれば他のものと一緒に制作することができるかもやってみたくて。葛藤もちょっとありました。とにかく私のする制作がアニメーションがベースだから、学校でできないようにする教授たちもいたんです。

KIAFA:カリキュラムとか韓国とかなり違う点があるんですか?
ジュア:韓国とはかなり違うようです。修士ですぐ入ったけど、自分の制作が自由にできて、授業というものがないです。一対一で教授と相談をして進めます。自分が願えば、先生に会わなくてもいいようにできます。個人的な作業をする代りにそれに対する支援はとてもよくできています。すべての材料、著しいのは他の都市で撮影をしなければいけない時、交通費も支援され、仕事部屋も支援してくれて大きい作業をするにもいいんです。卒業する時には学生によって違いますが、150万ウォン位(日本円で約12万円)の支援金が出ます。
ところで、卒業や学年が上がるのは韓国とは違うけれど似ている点もあります。案外フランスの先生たちがけっこう権威的というのが似ているように感じられました。韓国とは別に、先生たちが権威的ではなくて友達みたいだと思ったんですよ。実は表面的にはそういう風に見えます。自由で、自分の制作をする所だけれど、先生たちの影響力がある方です。

KIAFA:アングレームといえば、有名なアングレーム国際漫画祭がありますね。祭はどうですか。
ジュア:出版漫画に対する祭りです。世界的なフェスティバルで、最大のマンガフェスティバルの中の一つです。静かな都市だけれど祭りの期間には記者達などで非常に騒々しいです。契約や事業的な場所としても成り立つんです。その期間の時、たくさんの契約や商売が成り立つ決定的な場所ですよ。

KIAFA:韓国はこのごろWebToon(web漫画)が目立ってるじゃないですか。フランスはどうですか?まだ出版漫画が活発に流通するんですか?
ジュア:WebToonという概念が大きくはないようです。マンガ市場自体は大きい方だからたくさん売れて。フランスの人々がアナログが好きな方だから所蔵するに値する価値を感じればたくさん購買するし、もし本がソフトカバー、ハードカバーで他のバージョンがあったら、ハードカバーがたくさん売れるみたいです。韓国よりもっと多様です。

KIAFA:他の祭りとは違う、アングレーム国際漫画祭だけの特徴とかありますか?
ジュア:比較対象を選ぶのが難しいけれど…。小さな都市だけれど聖堂、市役所、議会など全都市が祭りに参加します。全ての建物で全ての展示をしてマンガやアニメーション業界の従事者が多くて、あちこちで展示が開かれます。一緒に学校に通っていた友達の作った協会があるんですが、バスに対する作品をアングレームにあるバス会社と契約して、バスの中で展示を開いたりしました。展示場という枠にハマッたものではなく都市全体がマンガのための場所になるようです。

KIAFA:お話になったこともそうですが、フランスは文化に対する参加率が高いようです。博物館も多くて。一般の人が触れることは多いですか?
ジュア:そうですね。そして人々が楽しむ文化というのが非常に多様です。韓国では発達した方だけれど、偏重されているという気がするんですよ。人々が共有するものが偏重されていて、全ての人々が一つに没入して…フランスでは流行というものがなくて各自の文化に対して集中する方です。ある珍しい分野の芸術も場所が用意されていて、見られる場所があります。パリで交換留学生をするうちにもアニメーションの上映をする所に行ったけれど、年齢層が多様で、いつもある程度の人々がいたようです。文化を消費することとか多様な分野に対して偏見なしに成り立つほうが良いです。テレビもあまり見ないで、自分が好きな分野により多く接して楽しむようです。

KIAFA:フランスといえば、ポンピドゥー・センターを思い出します。
ジュア:ポンピドゥーもいいですね。でもパリ自体が一つの国際都市じゃないですか。それで外国人がたくさん来て、観光客が多い所だからあまりフランス的じゃないみたい。

KIAFA:作品を見ると、直接ドローイングした作品ですよね。ドローイングが好きなんですか?
ジュア:はい、いつもドローイングが手始めのようです。「真実の男」を制作して思ったことは、ドローイングは線なのに、線ではない面でも制作をしたようです。ドローイングは自由だけれどスケールが大きくなりにくいようです。面に比べて早、ディテールするように描写し、面白い点が多いけれどスケールが大きくなりにくいようです。今度の作品はドローイングや絵画を一緒に作業しました。

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[木の板に描いているからちょっと色の感じが違うみたいですね!]

KIAFA:ドローイング作家に好きな人はいますか?
ジュア:デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)が好きです。様々に制作する人のようです。自分の周辺の人物をたくさん描くけど、色使いや線の使い方が面白い作家です。うーん、アウトサイダー・アートも好きです。美術をする人々のシステムの中にない人々が作った作品です。

KIAFA:フランスに一度行ったことあるんですが、パリで少しがっかりしました。期待しすぎたからか、圧倒する感じというか、そういうものなどが少なかったようです。ポンピドーは良かったけれども。フランスの人々はどうですか?
ジュア:すごくのびやかです。シニカルで。ちょっと無気力です(笑)。でもそれもパリはもうちょっとシニカルな方で、田舍はのびやかな方です。 全般的に人々が意識があるようにと努力するという点?偏見があってはいけない、寛容でなければならないということに対して努力して、そんな姿が知的なようです。自分の考えを話して、批判してそれを表現することに対して言うことを恐ろしがらないという点が良くて。福祉が良いから欲心がなくてちょっと無気力な方です。フランスは自分が求めているものが何かをよりうまく表現するようです。他人に見えるより。

KIAFA:もう完全に韓国に帰国したんですか?
ジュア: 6月まではずっといると思います、外国レジデンスや制作する機会が続けてあれば支援する予定です。

KIAFA:フランスでレジデンスをやりましたが、レジデンスの支援は普通どんな風にして成り立つんですか?
ジュア:ポートフォリオを提出するとかアーティストレジデンスに支援する方法で進めます。韓国よりはヨーロッパの方が発達していて、とても多くて。ポートフォリオを提出して支援を受ければ良いんです。

KIAFA:つまり、タイトルがあればこそ支援を受けるのが可能なんでしょうか?
ジュア:タイトルはほとんど必要ないです。ポートフォリオさえあれば支援を受けるのが可能で、レジデンスごとに分野が違って性に合う所に支援を願うのが重要なようです。例えば、私はこんなプログラムをしたいけれど、その分野に合うレジデンスがあれば成功できると思います。韓国もレジデンスがまだ少ないけれど出来てきているし。ソウル市立美術館のレジデンスもあって。クムチョンにもあって。でもそのせいで競争が熾烈です。国内外全体的に純粋美術のためのレジデンスが大部分だからまだアニメーションだけ制作することで支援するというのは容易ではないようです。

KIAFA:帰国して韓国の印象は変わりましたか?韓国の一番変わった点は何でしょうか。
ジュア:競争がかなりひどくなっているようです。ちょっと恐ろしいという感じがするほどです。だからフランスが各自の文化を持つのがより著しく見えるようで。私がどんな人なのかに対してで思うより、ルールが何か、この社会が求めるものは何か、どうすると良く評価を受けるか、に対して考えるようです。もっと、ますますひどくなるようですね。特に子どもたちの教育みたいなこと。とても悲しい現実みたいです。すべての子ども達が数学を学んで英語を学ぶのが楽しいんじゃないんじゃないか、甥たちを見れば子どもたちの時から難しいようです。

KIAFA:今回のインタビューの目玉、監督の展示の宣伝。これから開かれる展示の紹介をお願いしますよ(笑)。
ジュア:2月5日弘益大の代案空間ループでオープニングをやります。火曜日18時から21時まで。各種ドリンクと食べ物があるので多くの人に来て欲しいです(笑)。大韓空間ループ新進作家公募があって当選し、今回展示を開くことになったんだけど、クレルモン・フェランでKIAFAのユジン事務局長と一緒にいる時、当選結果をきいて一緒に喜びました。あれから一年経って、もう展示する時になりましたね。今やっている作業がアニメーションをしながら、木の板に描いたドローイング、紙に描いたドローイングで始めたんですよ。具体化をさせながら、みんな一緒に結果物として包み込めたら良いなぁと思うようになりました。こういう組合せが良かったようです。それとともに大きさも多様にして見ようと思っていたらサイズが大きくなった展示です。アニメーション、板、紙、布地に描いたドローイングが一つの空間でどんな風に交じって、説明され、ある時はぶつかるのか…その調和がどんな風に現われるのか見たくて展示するようになりました。たくさんの人に来てほしい。

KIAFA:「真実の男」という題名は、どう考えたんですか?
ジュア:どうやって疎通をするのか分からないある一人の人を最初想像しました。この人が人々にどんな風に愛されるか悩んでいたら、下った結論が“そうだ、無条件、真実であれ”でした。“私に真実なことはなにか?”“よく分からない”“よし、すべて見せよう”、こんな風に考えて、自分の私的なこと、恥ずかしくて苦しいものなどを他の人々に皆見せて潔白な人になると決心した人です。必ず理解されるとか、愛されたいよりは憎まれることを恐れる人。それでこの男を「真実の男」と呼び、結局題名になりました。アニメーションではこの男が自分の一番私的な動作を露出する瞬間を表現しようとしました。自分にだけに意味ある、解釈されない、疎通できない、分かるような分からないような動作です。

KIAFA:展示の日程は?
ジュア:2月5日から3月5日までで、平日は11時から20時で、休館はないからいつでも来てください。オープニングの時、たくさんの方の参加をお願いします。人の入りが心配ですね(笑)。

KIAFA:成功するといいですね。机に本を数冊見ましたが、本以外に趣味はありますか?
ジュア:一人でいることが好きな方です。人見知りがちょっとあって。不慣れな人に会うのは恐ろしがらない方だけれど、近づくことに対してはちょっと恐れるようです。旅行も好きな方です。

KIAFA:今度の展示後の計画は?
ジュア:韓国には6月までいると思います。レジデンスも調べて支援を受ける予定です。
KIAFA:最後に一言ずつお願いしますよ。チョン・ジュア監督にとってアニメーションとは^^?
ジュア:うーん…私を制作に導く最大の動機で、それを完成させてくれること。
KIAFA:幽霊とは?
ジュア:かわいそうな友達。かわいそうで恐ろしい友達(笑)。

KIAFA:チョン・ジュア監督にとってチョン・ジュアとは?
ジュア:複雑な感情を巻き込む友達。気の毒も情けなくもある?^_^(笑)。

KIAFA:たくさんの質問に答えてくださってありがとうございました。インタビューお疲れ様でした^^
ジュア:ありがとうございました^^


KIAFA:インタビューの間、出てきた本の題名や作品をすぐに検索して調べてみる監督を見るとアイデアを一つ一つ逃さない、やはりアニメーション監督だなぁと思いました。

個展が成功することを願い、長い時間KIAFAのインタビューに応えてくださった監督に感謝します!
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