ムン・ヒョンイル「男は泣かなかった」スタジオ訪問記

ムン・ヒョンイル監督『男は泣かなかった』スタジオ訪問記
(KIAFA CAFE 2012年4月19日のスタジオ訪問記より)

『男は泣かなかった』のムン・ヒョンイル監督の水原(スウォン)のスタジオを訪ねました。一緒にスタジオを使っているチョルデ・クムサン(ペンネーム:チョルデは「絶対」の意)監督とハン・ボラム監督の3名の愉快な会話が始まります。

KIAFA:お招き頂きありがとうございます。紹介お願いします。
ハン・ボラム(以下ハン):私(ハン・ボラム)、チョルデ・クムサン、ムン・ヒョンイルそして今は席を外していますが、キム・ミンギュ、ソン・ジェホと、5人で一緒に使っています。
KIAFA:雰囲気すごくいいですね。ところでハン・ボラム監督は紅一点ですが、不便ではないですか?
チョルデ・クムサン(以下クムサン):僕が不便です。誰もボラムの戦闘力には勝てませんよ(皆笑) 53万ですよ。僕らは4万2千(笑)。
KIAFA:この水原のスタジオはいつから使ってるんですか?卒業してから?
ハン:去年卒業して2月から安養(アニャン:京畿道 中南部の都市、水原の近く)にいて、12月にこちらに来て使っています。
KIAFA:じゃあ安養でもこのメンバーがそのまま一緒に?
ムン・ヒョンイル(以下ムン):ほとんどそのままです。
ハン:少し変わったりしたけど、ヒョンイル兄さん、クムサン兄さん、ここにはいないミンギュは卒業する前から部屋を一緒に使ったし、ジェホと私だけ出たり入ったりしてました。
KIAFA:このスタジオには名前があるんですか?それともメンバーたちの名前で別々にあるんですか?
ハン:(笑)作るな、今作るな。
クムサン:各々あります。ヒョンイルのような場合は「ヒョンイルフィルム」(笑)。僕は「スタジオ燃えあがる」残りのメンバーたちはそのまま「部屋」です(皆笑)。
KIAFA:「ヒョンイルフィルム」で思い出したんですけど、昨晩、ムン・ヒョンイルで検索してたら不思議なものを見つけました。2004年ルリウェブにアップしたムン・ヒョンイルの「幻想ストーリー」という作品があったんですけど。
ムン:だめ!!(皆笑)
KIAFA:昔から自分の名前を出すのがお好きなのかなぁと。
ムン:それは若い頃に描いたもので。最近は「捜査班長」と言う名前で活動しています(笑)。
ハン:そんなのあったの?探してみなきゃ!
クムサン:見なかったの?綴りが最高だよ、それ(笑)。
KIAFA:コメントに、すべて綴りが違ってるという指摘が^^;;
ムン:いや、少し…(皆笑)。

KIAFA:以前ユースボイスの監督のインタビューを読んだんですが、最初はマンガを専攻しようと思ったのにアニメーションに変えたそうですね。
ムン:あ、それは…ユースボイスの方で、(ユースボイスが)専門じゃないからマンガとアニメーションの区別がつかなかったみたいで。説明しようかと思ったけど…。うーん…実際に違うと言うのはちょっと…それでそんな風にインタビューに載ったようです。

KIAFA:そうだったんですね。皆さんがアニメーション科を選択した理由やきっかけを教えてください。
ハン:私は入試準備の時、マンガが大好きだったので、マンガは一人で準備できるけど、アニメーションは専門的という感じがあったんです。機材等が…。アニメーション科が全然分からないまま選択しました。学校へ行ってからは…うーん、マンガとアニメーションは作り方から言えば初めから他のジャンルのものでした。描くという表現だけが同じで…最初は混乱が多かったです。短編アニメメーションを受け入れにくかったし、映像言語というジャンル自体も難しくて…、でも今はすごく好きです。

クムサン:わぁ、お前、言葉うまいな。
ムン:進歩キャンプ行った時もボラム、話うまかったよね。
KIAFA:進歩キャンプ?
ムン:政治討論キャンプって言うのがあるんだけど…。
ハン:友達に紹介されて2月にヒョンイル兄さんを誘って一緒に行ったんですよ。
KIAFA:あ、そこで踊ってましたよね。
ハン:それも見たんですか?私が写真撮ってFacebookにアップしたやつ…(皆笑) 代案大学が主催のイベントなんですが、私も実は初めて行きました。代案大学や代案学校っていうのもよく知らなかったけれど。そこでソウル大や延世大の友達も多く…自分が主体的に選択した姿を見られて良かったです。進歩キャンプでヒョンイル兄さん、人気者でしたよ。Webtoon作家だっていって…。
ムン:でも『キム・チョルス氏の話』って言うと誰も知らない(皆笑)
『キム・チョルス氏の話/김철수씨 이야기』韓国の総合検索サイトDaumの中にあるWebtoonコーナーの「マンガの中の世界만화속세상」でムン・ヒョンイル監督が連載中のウェブマンガ。

KIAFA:ハン・ボラム監督は政治に関心が?
ムン:この間、江汀村(강정마을カンジョンマウル:済州島の海軍基地建設計画がある場所)にも行ってきました。
ハン:そこに関連したアニメーション制作をしたくて一度行って来て…YouTubeでもちょっと探してみて…。実は両親は私が就職するのを願うのに私は作品生活がしたくて…。そこからジレンマができるみたい。
KIAFA:とにかくハン・ボラム監督も初めはマンガ方面を考えたけど、今はアニメーションに変えたんですか?
ハン:はい。
KIAFA:それでは就活もアニメーション方面で?
ハン:はい。スタジオを構えたりして、アニメーションを必ずやりたいです。

KIAFA:残りのお二人のアニメーションをやるきっかけは?
クムサン:僕は絵を大量に描く事ができないんだけど、実は絵を描くというのが授業時間に唯一遊べるものだから、ある瞬間好きになって。高校卒業後バイトしてたんだけど、知り合いに扱き使われすぎてるという感じがして、そのままやめて美術の予備校に5ヶ月位通いました。たまたま桂園芸術大学に願書を出し、また、たまたま(?) 合格をしてこんな風にずっとアニメーションをやるようになりました。来年は韓国映画アカデミーの入学準備をするつもりです。
KIAFA:韓国映画アカデミーに通う方々は制作を本当に熱心にするようです。一週間で5分の映像を作ったり。
ハン:ヒョンイル兄さんはできるんじゃない、ナレーションみんなつけて。
KIAFA:多くのことを学べる所のようです。
クムサン:ええ、おもしろそう。真正な芸術人暮らしをしていて(皆笑)。シナリオもたくさん準備しているんです。
KIAFA:そのようですね。演出側にも関心が高いようで。
クムサン:僕が絵さえ描かなければいいんですよ(皆笑)。演出側に集中したいです。実はみんな同じです(笑)。
KIAFA:同意見ですか?(笑)
ムン:何で僕まで一緒にするの?(皆笑)

ハン:ヒョンイル兄さんは、だからすごい。絵描けないのに人々が熱狂するじゃない。それが真正なアニメーションの演出なのでしょ。
KIAFA:すでにヒョンイル監督を絵が描けない人っていう前提で話してる…(皆笑)
ハン:絵に、味があると思ったけど。
KIAFA:私は、始めからこういうスタイルなのかと思ってたけど調べたら違ってたみたいで。
『キム・チョルス氏の話』と『幻想ストーリー』を見れば監督の絵のタイプが違いすぎて、スタイルが変わるようになったきっかけが気になります。
ムン:妥協だと言えるかもしれません。僕ができる部分でやろうと思って、略しながら描くようになったんです。本当のところ、ドローイングの実力を伸ばさなきゃいけないのに、絵のクォリティーを低めてしまったような。
KIAFA:謙遜し過ぎじゃ…。私はそれが監督のスタイルとして落ち着いたように思います。味があって良いです。
ムン:ありがとうございます。
ハン:『幻想ストーリー』検索してみなきゃ(笑)。
クムサン:ムン・ヒョンイル監督の、絶壁上の男を探さなきゃ(皆笑)。

KIAFA:実は昨日検索してみたらファンカフェ(ネット上のSNSコミュニティーのファンページ)があったんですがアニメーション制作する方の中でファンページがある方に初めて会いました。
ハン:ムン・ヒョンイルのファンページ?『キム・チョルス氏の話』のではなくて?
ムン:『キム・チョルス氏の話』
KIAFA:いいえ、ムン・ヒョンイルのファンページです(笑)。
ムン:あ~、Daumの方の^^;;。それはうちの母親が他人のふりしてやってる、親戚と会社仲間たちを集めてやってるファンページです(皆笑)
クムサン:うわぁ、親バカ。

KIAFA:ファンページがあることにびっくりして、やっぱりWebtoonやってるからファンページがあるのかと思ったんですよ。見てみたら会員数が11人でした(皆笑)。
ムン:ええ、見れば分かるけど、内容はそんなもんです。はやくお金たくさん稼いでお母さんに親孝行して…。
ハン:お母さんが本当にすごいね。
KIAFA:どんな方か気になりますね。
ムン:ええ、僕も気になります(笑)。
KIAFA:でも普通アニメーションをやると言うと、ご両親が反対しませんか?
ムン:ええ、あまり良く思わなかったです。ずっと続けてたけど僕が絵をうまく描けないから…。僕、アニメーション高校出身で。小学校4年生の時からマンガをやると言って高校と大学でずっと絵を描いていたけど、母親がなんで絵がうまくないんだっていって、大学卒業後他の方で就職させようと思ったんですよ(皆笑)。
そうするうちに制作支援を受けて受賞もしたのをみたら、母親が信じてくれて手伝ってくれるようになったんですよ。

KIAFA:本当に幸いですね。チョルデ・クムサン監督とハン・ボラム監督のご両親はどうですか?
クムサン:絵描けないけど、絵以外に音楽・演出などが重要だと母親に言ったんだよね(笑)。
ハン:アニメーションは敢えて絵だけ描くものではないから…。イ・チャンホ先生のイラスト授業をとったけど、まだ才能が目立たなかった学生たちにも、絵以外にもいくらでも他の領域で各自の声を出すことができるとおっしゃって、アニメーションが総合芸術として開かれているジャンルのようです。

チョルデ・クムサン監督のキャラクター
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KIAFA:ハン・ボラム監督は家で就職しろと言われたと…。
ハン:ええ、私の母親は教師で、少し保守的で私が未だ就職してないことに対して大変なことになったと思っているようです。
KIAFA:卒業後にスタジオをつくるというのはとても重大なことだと思いますが。ご両親たちの許しも受けなきゃいけないし。
ハン:ええ。でもあんまり学校でも夜間作業をたくさんしたから…。以前、中学校の時はたくさん反対されたし、マンガは隠れて読んでたけど、今は成功を願ってくれているようです。

KIAFA:先ほどおっしゃったのが『キム・チョルス氏の話』の締め切り近くなるとお互いに手伝うと?
ムン:元々は金曜日が締め切りなんですが、日曜日の朝にやってます。
KIAFA:スタジオの一週間の日程は? 休みとかあるんですか?
ムン:午前10時起床~18時まで制作です。土・日及び残りはすべて自由時間です。
僕のような場合WebToonを描く時は、日曜日も続くから休む時間がほとんどなくて大変ですね。
ハン:今休載なので大丈夫だけど、土日はスタジオのみんなが手伝うのでバタバタしてます。
KIAFA:じゃあ今がお休み期間なんですね?
ムン:はい、5月まで…。今、2部が終わって3部をやる前まで休むことができます。

KIAFA:休載がスタジオの平穏なんですね(笑)Webtoonの連載のきっかけは?
ムン:「私もマンガ家(ネット上の投稿コーナー)」等にアップしてたら、それを見た担当者が連載してみないかと言って来て。「キム・チョルス氏の話」は去年(2011)5月末から始めたんです。

■「男は泣かなかった」花コリ2012 Aプロで上映
남자는 울지 않았다/The Man Did Not Cry
2011/8:46/Drawing, 2D Computer
a8_the_man_did_not_cry

5歳の時、悪魔に「初めて泣いた日に死ぬ」と宣言された男の一生。

Director's note
社会の慣習や文化によって定められた枠の中で、規範に従って生きなければならない人間の苦しみを表現したかった。

★インディ・アニフェスト2011大賞受賞
(参考:インディ・アニフェスト2011受賞作審査評2012/03/02



KIAFA:『男は泣かなかった』は2011年の卒業制作ですよね?『男は泣かなかった』と『キム・チョルス氏の話』が似ている部分が多いと感じたんですが、個人的に感じたことは生と死に大きな意味を置いているような感じがしたんですよ。二つともナレーションになっているのが印象的です。
ムン:二つとも伝えようとする内容量があまりにも多くて、ナレーションがその多い部分をカバーしてくれると思いました。演出や行動で見せようとすれば、長さが何倍にもなってしまうってのもあり、童話のような雰囲気を作りたくて二つの作品を難しくならないように聞かせる話形式で進行するようにしました。

KIAFA:二つの作品とも人生の話なので、早い展開が必要なようではありますね。それでは他の監督からみて、ムン・ヒョンイル監督の作品はどうですか?
ハン:ヒョンイル兄さんの作品が、主人公が皆、ヒョンイル兄さんみたいで。男シリーズ?を見れば男の主人公たちを少年時代の自分の記憶を手探りして作っているみたい。作品の主な長所が、人並み外れた演出力だと、観客を弄ぶと言える位にすごいと思います。
『キム・チョルス氏の話』の最初の部分に、母親が子を生んで捨ててからまた帰って来るのに、子を連れ戻しに来るのではなく、カバンを取りに帰るじゃないですか。母親がまた戻ってくると見せかけて喜ばして良かった~という感じを醸し出しといて、結局はカバンだけ取りに来た姿を、絵で、より非情な感じを与えてるでしょう。見る人の感情で自由自在に動かすことができる…そういうので観客たちはもっと沒入することができるようです。
そういう演出が『男は泣かなかった』や『ばあちゃん』でも見受けられるし、ムン・ヒョンイル作品の特徴のようです。普段も彼がゲームをする時、「負けた、負けた」と言っておきながら「これは分からなかっただろう」と後で逆転するし…(皆笑)。
私たちが学校で彼に初めて会った時、図書館で働く勤労奨学生で、作品も上手く、まじめに見えたんだけど…(笑)。言うことも礼儀正しくて、それで友達の間ですごく良い人だねって話してたのに、真実が少しずつ明かされると…(ムン・ヒョル監督笑)スタジオに初めて来た時はまだ明かされない状態だったけど、今は、神は公平だって言いながら(笑)。でもここはみんな気楽で良いです(皆笑)。

KIAFA:みんな、とても仲良くて雰囲気が良いですね。締め切りの時もお互いに助けあって仕事を終わらせるなんて大変そうですが…。びっくりしたのが、自分が経験していない素材を自分のことのように、作品によく表現されていることです。例えば、『男は泣かなかった』で、会社生活や結婚生活を描いたところが、まるで直接経験したように感じられるんですよ。『キム・チョルスさんの話』で赤んぼうを出産する場面などを見ると、そういう感情をどうやって導き出すのかと…。

ムン:他の作品をたくさん見てるから。小説やマンガ・アニメーション・映画など間接的な体験を通じて…。
ハン:間接的に?(皆笑)
KIAFA:一緒に映画も観るんですか?
ムン:最近はたくさん見ないけど、以前は深夜映画も観て…。
KIAFA:好きな、あるいは自分の作品に影響を及ぼした作品は?

クムサン:幼い頃クロノ・トリガーというゲームがすごく好きで、キャラクターが時間旅行しながら戦乱騷ぎする内容です。時間を利用して事件が変換され、そういった内容に大きな魅力を感じて僕が使う大部分の内容が時間に係わるシナリオになりました。ドラマや映画をたくさん見るけど、始めはそのゲームだったように思います。現実をぶっ壊すことができるSF (皆笑)。
ヒョンイルの場合は、現実に正面対決する傾向があるみたい。

ムン:ガイナックスの『フリクリ』という作品を見て、アニメーションを作りたいと思いました。映画は『ショーシャンクの空に/The Shawshank Redemption(1994)』…。大学入って初めて見たもので、あまりにも感銘を受けてクレジット上って来る時、一人で部屋の中で立ち上がり拍手して(皆笑)。その時までそんなことなかったんだけど、その二つの作品が僕の人生の中で一番感銘深かった作品です。

ハン:私は有りがちかもしれないけど、マイケル・ジャクソンの『デンジャラス/Dangerous』という95年の踊るパフォーマンス映像を見て、とても衝撃的で。どうやって人がこんなに動くんだろうって。その映像をほぼ半日巻き戻して何度も見ました。その時アニメーションを勉強していた時だったけど、踊りやパフォーマンスが如何に人を熱狂させるのか?と考えたんです。マイケル・ジャクソンについての記録をたくさん捜してみたけど、特に子どもと地球を治癒しようということが、彼が一番したかった事みたいです。作品を通じて治癒ができれば良いなぁ、あるいは都市が森で覆われたら良いなぁという想像をたくさんしました。ああいうエンターテイナーになれたら本当に良いと思う。マイケル・ジャクソンの歌の中で「Human Nature」が一番好きです。癒される感じが大きくて…。都市がセメントで覆われなければいいのにとよく思います。

KIAFA:それでは今度は空いた時間は何をして過ごしますか?週末や午後6時以後?
ムン:カルドセプトゲームをします(皆笑)。
クムサン:カルドセプト(笑)。
ハン:私は教会に通ってるんですが、実は声楽をしたくて行くようになりました。
ムン:お願いだからスタジオで歌わないでね(皆笑)。

束の間でしたがスタジオで直接ハン・ボラム監督の美しい声を確認することができました^^。声を聞かせられなくて残念です。今度機会があったらインディ・アニフェストでライブを?^^;;;

KIAFA:卒業後水原にいながら学校に通うのは大変じゃなかったですか?
ムン:ええ、実はスタジオを移転しようと探してます。CJアニメーションのシナリオをやってるのがあるんですが、サンアム洞の方にあってその近くで探しています。
KIAFA:一ヶ月近く働くと言ってたけど引越すんですか?
ムン:働くついでにハプチョン付近を探してます。
ハン:実は他の所に移転しようと思ってたのに、そっちが遅くなってこっちに来たんです。
ムン:ここももうちょっといようと思ったんだけど、それも急に決まって…。内装してまだそんなに経ってないのに…。
クムサン:多分、内装してない時に来たらお入りにならなかったかも知れないですよ(皆笑)。

賞金で設えたモニターで制作するムン・ヒョンイル監督
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KIAFA:先ほどモニターを賞金で買ったと言ってましたが…。
ムン:ええ、作業する時よく使っています。
KIAFA:インディ・アニメフェストや創作アニメーションでも受賞なさって、何か変わった点はありますか?
ムン:制作環境がよくなりました。それにお金の余裕がちょっとできて、借金も少し返せて…。お父さんの手術費も、おばあちゃんにもお小遣い上げて…いろいろと。
クムサン:元々の計画はガールフレンドを見つけるって。
ハン:合コンするって…。これからは俺の時代だって言って(笑)。
KIAFA:そうだったんですね。その後、雑誌インタビューとかたくさん受けたみたいですが…。
ムン:1、2つほど。
KIAFA:あまりなかったんですか?
ムン:それよりはインディ・アニフェスト大賞受賞してからは教授からCJ等々で働き口を調べてくださって、仕事の紹介をたくさん受けることができました。
KIAFA:他の監督も仕事がたくさんできたと言ってくれます。
ハン:仕事の登竜門。
ムン:それ外にもメールで、感想や応援が来るのがとてもいいです。
クムサン:どんな返事するの?
ムン:返事は、ありがとうございます、もっと一生懸命やりますって(笑)。
クムサン:とても形式的だ~(皆笑)。

KIAFA:この間インディ・アニフェストの巡回上映(花開くコリア・アニメーション2012)を東京・大阪としたんですが、日本の観客の皆さんも監督の作品を好きな方がたくさんいらっしゃいました。日本の人々も好きに値する感性なんだなぁと思いました。

ムン:『City』もあるんですか?
KIAFA:はい。『City』もあって、『男は泣かなかった』も、これを見ればあります(花コリのチラシを見せて)。そして 5・6月のKIAFA定期上映のチラシもたくさん宣伝してください^^;;。
ムン:あ、『消しゴムの恋人/지우개 연인』おもしろかったです。
KIAFA:マニアが特に多い作品です(皆笑)。
ムン:これヨンホの作品!!
ハン:『RUKA』だったっけ?わ~(参照:みな桂園芸大出身です^^)
KIAFA:はい、 5月インディアニシアッター(KIAFA配給のAniSEEDの上映会、「アニメーションの種」を意味する「アニシーアッ/애니씨앗」と「シアター/시어터」をかけている)に必ず来てください。「大人のための童話」というテーマで多様な作品がたくさん観られます。

■『City/도시』』(花コリ2012 Bプロで上映)
2010/6:28/キム・ヨングン、キム・イェヨン/2D Computer, 3D Computer
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■『RUKA/루카/RUKA』花コリ2012 Aプロで上映
2010/7:30/キム・ヨンオ、チェ・セヒ、チョン・スヨン/Drawing, 2D Computer
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KIAFA:監督のフィルモグラフィーを見ると、似ている題目があるんですが、『ビルの上の男』、『絶壁上の男』。これらの作品は全部違う作品なんですか? 『絶壁上の男』はネットににアップされてて再生したけど観られなかったので。
ムン:いいえ。大変な事になります。僕の人生の中で最悪の作品です(皆笑)。
KIAFA:どんな作品なんですか?
ムン:制作期間3ヶ月でしたが…。
KIAFA:どこで?
ムン:ユースボイスで制作コスト50万ウォン支援金もらってやったんです。
図書館で働きながら制作したんですよ。『ばあちゃん』も同じです。元々あの内容ではなかったんですが締め切りのためになぜかそういう内容になりました。録音ができなくて字でやるようになったし…やり終わって、こんなんじゃだめだって思った。.
KIAFA:じゃあ『ビルの上の男』は?
ムン:それは大邱未来大卒業制作でした。あの作品をポートフォリオにして桂園大に入ったんです。
KIAFA:大邱未来大では何を学んでたんですか?
ムン:そこはアニメーションゲーム科なので、アニメーションも学んで、ゲーム制作も学んで、マンガを描くのも学んでいました。あまり身にならなかったみたい(皆笑)。
KIAFA:それでは桂園大では?
ムン:桂園大の卒制を見て、ここで一度学んで見たいと思って志願しました。桂園大の作品とてもよく作られてたので。
KIAFA:監督が今Webtoonもやってて、アニメーションもやっているけど、それぞれ臨む姿勢が違いますか?
ムン:アニメーションは個人的に準備する時間が長く、整える時間があって良くて、マンガは一週間ごとに連載しなければいけないから時間上仕上げが雑に終わらせなきゃいけない場合が多くてその点が少し残念です。
クムサン:『男は泣かなかった』もカットを半分くらい切り捨てたけど…。
ムン:ああ、それは作っておいて切るのと作っておく事ができなくて切るのとは違うから。
KIAFA:監督が自分の作品を多くを切り捨てるのは容易ではないですよね…。
『キム・チョルス氏の話』は方向性を全てつかんでいるのか、または大略的な方向性だけつかんでおいて、新しいものなどを追加したりするのか…。
ムン:方向性はすべてつかんであるんだけど…。今回の5.18はなかった話なんだけど、急に入れて…後悔しています。
クムサン:なんで?俺はその話が一番好きだけど…(笑)。

KIAFA:Webtoonはコメントがたくさんついてるじゃないですか?他のジャンルより反応がはっきりと出てるようで。
連載が遅くアップされるとか現実とかけ離れてるという指摘から、大好きだというコメントまで多いけど、コメントに対する反応は…?
ムン:コメントがすごく力になります。アニメーションは上映されて好かれると飛ぶように喜ばしいと表すれば、マンガはそほどじゃないけど、悪態までも気持ちが良いです。悪態をつくなと肩を持ってくれる人々がいるというのが良いです。
またそれで全体のコメントも増えて…(笑)。他の作家たちとも話したけど、みんなそんな感じだそうです。
KIAFA:今はWebtoonだけを連載してますが、次のアニメーションの構想がありますか?
ムン:多分Webtoonを終わらせてからやると思うけど、二つの作品を構想しています。亀が山に登る内容と、朝鮮人はいくら食べたか(ドキュメンタリー)
KIAFA:いいですね。『キム・チョルス氏の話』は『男は泣かなかった』の延長線上にある作品みたいに感じましたが、今、構想中の作品は全然感じが違いますね。2つの作品に期待しています。チョルデ・クムサン監督が今、準備している作品は?
クムサン:1部と2部で作品の題名が違うんですが、1部は『蒸し暑い夏に麺一杯』で(皆笑)。ジャンルと作っている内容と違く題名を付けました。
KIAFA:ハン・ボラム監督は?
ハン:作品はずっと構想してるんですが、現在就活を考えていて、正確にどの時点で準備することができるかは分からないですね。

KIAFA:それでは最後の質問です。ムン・ヒョンイルにとって○○と言うのは?という質問。
ハン:ガールフレンドとは?
ムン:夢だ。
KIAFA:アニメーションとは?
ムン:全部。
クムサン:アニメーションを作る女性に会えれば良いね(皆笑)。
ムン:こういうの本当にだめなんです。
ハン:お酒とは?
ムン:楽しみだ。
KIAFA:スミゴルとは?
ムン:犬だ。
KIAFA:監督はなんだか涙もろいようですが、監督にとって涙とは?
ムン:感情の表出。

ムン・ヒョンイル監督が8年も一緒に暮らしている飼い犬スミゴル(「スミゴル」のゴルは『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム(韓国語の発音でゴルルム)から来ている)
『男は泣かなかった』の飼い犬のシーンはスミゴルから来ていたのかもしれませんね~。
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KIAFA:ムン・ヒョンイル監督の単刀直入の返事が面白くてずっと訊いてました。
本当に最後に「ヒョンイルらしい」という言葉に意味をハン・ボラム監督より一言。
ハン:自然。照れくさくて仮面をかぶっていることも、なぜかまた自然な姿みたいですね(皆笑)。


2時間以上インタビューに情熱的に応えてくださったムン・ヒョンイル監督、チョルデ・クムサン監督、ハン・ボラム監督に感謝します。
次にハプチョン方面に引越ししたときには、ぜひまた呼んでくださ~い。監督インタビュー第2弾を書きたいです。

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左からハン・ボラム監督、ムン・ヒョンイル監督、チョルデ・クムサン監督、
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