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花コリ2018名古屋会場:伊藤裕美氏トーク録(ボーダーを越える作家たち~アニメーションのインディ系制作最前線)

上映&トークその2 ボーダーを越える作家たち~アニメーションのインディ系制作最前線
多国間共同制作・留学・レジデンス・ピッチ・助成金などを通じて、ボーダーレスに制作される作品が増えています。代表例が、アメリカ人と日本人の監督がフランスのプロデューサーと組んで作った、米アカデミー賞候補作『Negative Space』(アジア短編プロ上映作)。同作のマックス・ポーター、桑畑かほる監督が自主制作した短編3作品を上映し、両監督の制作活動をよくご存じの伊藤裕美さんに、欧州を中心としたインディ系制作事情を伺います。

8月5日(日)12:00のアジア短編プログラム「アジアへの扉」上映終了後、開催

上映作品:マックス・ポーター、桑畑かほる
『サムシングレフト・サムシングテイクン』(アメリカ/2010年)
『ビトイーン・タイムズ』(アメリカ、オランダ/2014年)
『Perfect Houseguest』(アメリカ/2015年)

ゲスト:伊藤裕美(オフィスH代表)
アニメーオフィスH(あっしゅ)代表、一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ共同代表理事。2012年『はちみつ色のユン』を配給。2011・2016年、主催事業「WAT―世界のアニメーションシアター」でマックス・ポーター、桑畑かほる監督作を上映。現在、アニメーションを学習とコミュニケーションのツールに活用する「アニメーテッドラーニング」の普及に取り組んでいる。


西村:今回、伊藤さんのトークを開催することになった経過を簡単にご紹介します。伊藤さんは2014年に、私どもで『はちみつ色のユン』という長編アニメーションを上映した時に、その作品を配給された方としてご招待しました。その時のトーク(花コリ2014名古屋会場レポート 『はちみつ色のユン』伊藤裕美氏トーク録)が大変好評でして、また一緒にお仕事をしたいなと思っていました。今年の2月に、先ほどご覧いただきましたアジア短編プログラムで2番目に上映された『Negative Space』(マックス・ポーター、桑畑かほる監督)が、アメリカのアカデミー賞にノミネートされました。ただ、監督達が授賞式に参加する費用が…、あれは全部自己負担なんですか?

伊藤:そうですね。費用というか、行くためというか……。あとでお見せしますけれど、ハリウッドの超一流のイベントなので、ドレスとか、全部自腹なんですね。

西村:監督が授賞式に参加する費用を集めるためのクラウドファンディングを伊藤さんが主宰されておりまして、それを顧客の皆様宛のご案内メールで紹介しましたところ、何人かの方から実際に支援していただくことができました。名古屋でもこういったアジアの作品を応援していただけるのであれば、ぜひ今回はマックス・ポーター監督と桑畑かほる監督をフィーチャーして何か面白いことをやりたいと思いまして、伊藤さんにご相談したところ、桑畑監督にも話しを通して下さいまして、あれよあれよという間に決まった、そんな経緯のイベントになります。では、よろしくお願いいたします。

伊藤:皆さん、こんにちは。ご紹介いただきましたオフィスH(アッシュ)の伊藤裕美です。今日は名古屋にお招きいただきまして、ありがとうございます。「花開くコリア・アニメーション」、私も入口のところで買い求めさせていただきました、かわいいクリアファイルなんですね。もともと、韓国でインディ・アニフェストというものが開催されていて、2018年で14回目になるそうで、日本で行われている「花開くコリア・アニメーション」は、今年で10周年になられる。大変長く続いていらっしゃる本当にいいイベントだなぁと、毎年楽しみにしております。今回はご縁があって、こちらの名古屋にお招きいただきましたので……。
桑畑かほるさんと、マックス・ポーターさんが制作された『Negative Space』というアニメーション映画が花コリのアジアプログラムで上映されるというのを私も伺っておりましたので、大変いいなぁと思っておりましたら、今、ご紹介いただいた西村さんから、少し話をしてということで、桑畑かほるさんと、マックス・ポーターさんの制作、これまでの作品のこととか、これからのこと、今、長編の準備をされているので、そのことについて……。作品を紹介する上で、2人は絶え間ない努力をなさっていたし、新しい才能を支えていくような力というか、支援というか、そういったようなものが実は、悲しいかな、日本ではなく、ヨーロッパにあったという話を紹介させていただく機会をいただきましたので、1時間くらい話をさせていただきます。

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まずはご覧いただきましたアジアプログラム、私も大変面白く拝見しました。ここのところ、海外作品のチェック、日本の作品もそうなんですが、してなかったので、ほとんど初めての作品で、西村さんから、去年から花コリでアジアプログラムが始まったというのを伺って、特に今年は複数の国が関係するようなクレジット、お手元にもチラシがあると思いますが、ご覧いただきますと複数の国が関わるような形で紹介されています。
例えば、最初に中国語と英語で上映がありました『Tough』という作品は中国とイギリスというクレジットが入っているし、『Negative Space』もフランス、アメリカ、日本というクレジットが入っています。『それぞれの時間』はインドとアメリカというクレジットが入ってましたし、『悪い子』という、小さい女の子が実は病気で、という話はトルコとフランスのクレジットが入っている。最後の『黒』は日本とポーランドという複数の国が関わっていて、国際共同制作が増えているのかな、というようなことも西村さんがおっしゃってました。どういう背景があるのか教えてほしいということだったので、そういうトークは面白いですね、ということで、今日に至りました。
それ以外には日本の監督、中国台湾の作品が上映されていたようなんですが、このチラシでは監督さんのプロフィールが分からなかったので、調べていただいて、監督のプロフィールをみると、なるほど、こういう背景なんだな、と分かったので、簡単に紹介いたします。

『Tough』は中国とイギリスということです。お気づきになったかと思うんですが、監督自身はイギリスで、おそらく小さい頃にイギリスに移られていて、成長なさって、ほとんどイギリス人、ブリティッシュという意識で成長なさった。ただもともと私たちと同じアジア人で、お母さんは文化大革命の頃の世代で、その頃に何らかの理由でお母さんはイギリスに移民なさったのかなぁ、と。詳しいところは書かれてなかったんですが、この監督さんは北アイルランドで育ったということがプロフィールにありました。今でこそ、北アイルランドは皆さんの努力で政情がとても安定してきていますが、一時、大変な紛争もありましたし、中国の大変革を経て、ご両親が、お母さんだけかもしれませんけどイギリスに移っていらっしゃって、監督はイギリス人として成長する。親子の会話は、子どもはイギリス英語で質問して、お母さんは根底にまつわるようなことに関しては中国語で答えている。けっこう私の知り合いでも、親子の会話が、子どもはフランスで育っているからフランス語だけれども、母親は根っからの日本人ですから、コミュニケーションどうやってやっているのかな、と思うような。ボーダレスになってくると、そういったようなフィールドの中で、中国となっていますが、メインの出資はイギリスなんでね、エンドクレジットをみると。監督のもともとの出身が中国で、中国が関わっている、ということかなと。

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『Tough』
ジェニファー・チョン Jennifer ZHENG/2016/04:49/2D, Drawing/中国、イギリス
成熟してこそ、分かることがある。中国人の母とイギリス生まれの娘が初めて大人の会話を交わし、幼いころに経験した文化的な誤解が解消されていく。


『Negative Space』は、桑畑さんのご出身が日本ということで、それで書かれているんだと思うんですが、いわゆる映画製作という意味で言えば、日本は出資に何も関わっていない。監督自身も、プロデューサーも、日本との共同製作は望んでらっしゃるんですが、悲しいかな、日本はこういった映画を支援していく制度、特に外国に住んでらっしゃる日本人の監督に対しての制度が、少なくとも『Negative Space』の時には整っていなかった。ですからメジャーはフランスになってます。プロデューサーがフランス人なんで。何でそうなったかというのは後でご紹介します。アメリカもマックス・ポーターさんがご出身なので、アメリカからも若干助成金が入ってますし、そういう意味ではこれはフランスとアメリカの合作という風に言っていいと思います。

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『Negative Space』
マックス・ポーター、桑畑かほる Max PORTER, Ru KUWAHATA /2017/05:30/Stop Motion/フランス
鞄の詰め方は、父が教えてくれた。


『それぞれの時間』は一番面白い、あるいは一番典型的な事例だなと思ったんです。監督はインドのムンバイご出身と思うんですね。ただし、インドの方は優秀な方がアメリカに留学なさったりとか、アメリカで修行なさったりする方が多いし、この監督もNYのフィルムスクールというんでしょうか、ビジュアルアーツの学校のご出身とのことで、おそらく拠点をアメリカとインドの両方にお持ちになっている。今、こういうインド人の方、大変多いですね。アメリカである程度実績を積んで、インドに戻ったりとか、インドとの関係でITとか映画とか、そういった活動をなさっているという典型的なインドの方の行動パターンの映画かなと思って、面白く見ました。テーマもなかなか哲学的で、皆さんも楽しまれたと思います。

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『それぞれの時間/KCLOC』
ニナード・クルカルニ Ninaad KULKARNI/2017/02:50/3D, Live Action/インド、アメリカ
『KCLOC』は、人々が時間をどのように認識しているかを示す、3Dアニメーション・ドキュメンタリーである。



『悪い子』は、トルコ出身の監督さんなんですね。私は、履歴を見なかった時にはトルコ出身の方が何らかの理由でフランスに移り住まれて、フランスで制作したと思ったんです。そういう事例が多いんですね、フランスは。監督のプロフィールをみると、この監督はフランスに留学とか、フランスを基盤としてるというよりも、映画祭で絶大な評価を得た前作を、フランスのプロデューサーが面白いと思った。最後にクレジットが出ていた会社は制作会社で配給とかもやっているんですが、LES VALSEURS(レヴァルシュール)のプロデューサーがついているんですね、この監督には。だからフランスの製作、なおかつ監督がトルコ出身でトルコ側も支援をなさっているようなクレジットがついていました。アルテArteというドイツとフランス共同で立ち上げた文化放送テレビ局が支援をして、アルテでも放送するための短編のアニメーションとして制作された。そういう意味では『Negative Space』の桑畑さんとマックス・ポーターさんと似たような形ですね。フランスのプロデューサーがいち早くピックアップして、新しい才能を支援していっている。

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『悪い子/Wicked Girl Kötü Kız』
アイス・カルタル Ayce KARTAL/2017/08:00/Drawing/トルコ、フランス
8歳のトルコ人少女Sは、想像力あふれる少女だ。彼女は自然と動物を愛する。病院の一室で、彼女は祖父母の村での幸せな日々を思い出していた、だが、暗く恐ろしい記憶がよみがえる。そして、少しずつ、あらゆることが理解され始める。


『黒』の監督はポーランド出身ですけども、デカデカと「文化庁」と出ていました。これは、めでたいかな、日本が制作をかなり支援したんだと思います。私は直接伺っていないので詳しいことは分かりませんが、JAPIC、ジャパン・イメージ・カウンシルという団体がありまして、これ渋谷のイメージフォーラムという、文化系、アート系のとてもいい映画を上映なさっているシアターが起点、母体となって、海外のインディペンデントの制作者を日本にレジデンスでお招きして、日本で制作していただくような活動をなさっていて、日本の文化庁が支援をしているんですね。それで作られたポーランド出身の監督ということで、JAPICの滞在は数カ月しかないので、完成までは日本でしないで本国に戻られてやったのか、詳細は分からないんですが、かなり完成度の高い作品だと思いました。(花コリ事務局の確認によると、ポーランドでアニメーションを完成させた監督は日本に戻り、日本人俳優のセリフ収録に立ち会ったとのこと)。

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『黒/Black』
トマーシュ・ポパクル Tomasz POPAKUL/2016/14:00/2D/日本、ポーランド
「Black」は、地球上で突然起こった核戦争によって宇宙ステーションに閉じ込められた、ふたりの宇宙飛行士の物語である。地球との接続が切断され、彼らの基地や、惑星の誰かと連絡しようとするが、すべて失敗した。彼らにできることは、惑星の表面で起こる核爆発を眺めながら、何とか生き延びようとすることだけだ。


<関連リンク>
「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2014」プログラム終了報告

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インディペンデント、短編アニメーションといっても、いろんな形で今、海外、複数国が関わるようなものが増えているという話をさせていただきます。

『Negative Space』がめでたくオスカーにノミネートされ、桑畑さん、ポーターさんが大変な努力をなさって、授賞式の時を迎えるということになっていくわけです。『Negative Space』の前の作品『ビトイーン・タイムズ』ができた時、桑畑さんが一時帰国なさって、私たち仲間の女子会で見せてくれたんですね。冗談半分で、「オスカーにノミネートされたら、私たちも連れてって」、「レッドカーペットを一緒に歩かせてね」と数年前に言っていたら、なんと今年(2018年)実現して、女子会を招集したのです。「私たちもレッドカーペットに連れてってもらえるかな?」と、盛り上がったのですが、「オスカーって、授賞式にけっこう金かかるんだよね」という話が出まして、ドレスも、授賞式に乗りつけるリムジンカーも自腹らしい……という話で。大きな制作会社がついていれば、全部それはプロデューサーなどが手配をしてくれるし、ドレスのスポンサーがつくわけです。うちのドレスを着てください、うちのダイヤモンドのネックレスをつけてください、という形でつくんですけれども、長編でもないし、インディペンデント系ということで、監督やプロデューサーが調整しなきゃいけない。「ドレスを桑畑さんが手配するのに役立つことができればいいね」ということで、トントン拍子でクラウドファンディングをするということに。クラウドファンディングというと、お金を皆さんからお預かりするという意味はあるんですけども、桑畑さん達を日本でこういう人たちが応援しているんだというのが、次の作品の糧になってくれればいいなということで。今日も実はファンドをしてくださった方が、この会場に来ていただいて、その方が63人の中に入っていらっしゃるんですけれども。目標額30万で始め、大きく達成しましたし、モーションギャラリーというクラウドファンディングのサイトを使ったんですが、その中でも急激な達成率ということで、いい結果をいただきました。

(写真を見せながら)ここで着ている青いドレスですね、桑畑さんは女性デザイナーのドレスを着たいというこだわりがあったみたいです。手に持っているのが、ファンドをしてくださった方々の名前を書いて、一緒にレッドカーペットを歩いてくれた小さな紙です。これはファンドしてくれた方々にだけにお見せしたプライベートの写真なんですけれども、今日は特別ということで皆さんにも見ていただきたいなと思って。

これは、ルーさんたちのTiny Inventionsというスタジオのインスタに載っている授賞式の写真です。こちらがポーターさんですね、パートナーで。ルーさん、このお2人はフランスのプロデューサーなんだそうです。

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これから『Negative Space』に至る前の短編を何本か見ていただくということで、監督の簡単な紹介を。桑畑かほるさんを皆、「ルーさん」、「るさん(Ruさん)」と呼んでいるので、私もルーさんと呼ぶことが多いんですが、ルーさんとの出会いを、監督の簡単な紹介も兼ねて、お話したいと思います。
最初に桑畑さんたちを面白いと思ったのは、これから見ていただく『サムシングレフト・サムシングテイクン』という短編アニメーションです。すごくユーモアがあって、軽快で、技法は人形のコマ撮りと、コンピューターのエフェクトというか、コンピューターでいろいろな加工をしてですね、ミックスメディア、ハイブリッドなアニメーションで、これからぐぐっと伸びていく人たちなんだろうな、というのを2011年ですから、今から7年ぐらい前に、アニメーションでは一番大きな国際映画祭であるアヌシー国際アニメーションフェスティバルで出会いました。面白いなと思って、私は「世界のアニメーションシアター」という短編を集めて上映する興行をしていますので、さっそくそこで上映させていただきたいということで、桑畑さんにも連絡を取りました。ご快諾いただいて、一時帰国した時に桑畑さんと初めて東京の池袋でお会いしました。千疋屋のフルーツパーラーで2人で会いました。ルーさんはご実家が神奈川で、私の都合で池袋まで来てくださったんですが、湘南新宿ラインが何かの事故で大きく遅れてしまって、彼女は一生懸命JRを乗り継いで、横浜の方からわざわざ池袋まで来てくれた。それがルーさんとの初めての出会いでした。とても礼儀正しい、ご家族に愛されて育ったんだなぁというのが分かる、好意的な若い監督さんで、これから応援していきたいなと、ひと目で思うような感じの女性でした。

ご興味がある方がいらっしゃれば、 Tiny InventionsのWEBサイトがあるんですが、その中に「Pickle jar」という、これ、マンガなんですね。ルーさんマンガも描かれているんで、なかなか面白いマンガがありまして、いろんな文化の違いみたいなことをルーさんなりの視点で描かれている。ここのところ忙しいんであんまり更新はなさっていないんですが、みていただければと思います。

ここで『サムシングレフト・サムシングテイクン』を見ていただきます。

『サムシングレフト・サムシングテイクン』(アメリカ/2010年)
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© Tiny Inventions


私の中でこの年のアヌシーの一番いい、一押しでした。本当に楽しませていただいたアニメーションで、この2人は次にどういう作品を作ってくれるのかなと、ずっと楽しみにしていたら、これからご覧いただく『ビトイーン・タイムズ』(アメリカ、オランダ/2014年)』というアニメーションに至っていくんですね。『ビトイーン・タイムズ』は、これまで2人が拠点にしていたアメリカではなくて、オランダに移って制作した短編になります。アメリカで2人が「Tiny Inventions」というスタジオを立ち上げて、コマーシャルの仕事とか、公共的な何かを紹介するようなアニメーションとか、仕事をずっとされていたし、あと学校で教えていたりもしてたんですが、本格的に『サムシングレフト・サムシングテイクン』で脚光を浴びたということもあるし、「自分たちの制作をしていきたい」という強い意志をお持ちだったんだと思うんですね。制作ができるところ、いろんな助成とか制度が整っているところということで、結果的にはアメリカではなくヨーロッパに移られた。オランダのアニメーション・インスティチュートNIAFは当時、インディペンデントの映画、アニメーション作品を作られる監督たちにとっては、憧れの場所の一つといいますか、制作ができるということで、オランダ人に限定せず世界から制作をしたい人たちが滞在をしながら制作ができる。滞在ができるアパートメントのような施設もありますし、制作ができる環境、実物のセットを置けるある程度のスタジオが必要になってきますし、撮影の監督、カメラの支度をしてくださる方だとか、そういった技術者も含めて、制度の整っているインスティチュートだったと聞いています。私は残念ながら実際に訪問する機会がなかったのですが、というのは、残念ながら『ビトイーン・タイムズ』の制作途中に、オランダのいろいろな財政事情などもあったらしく閉鎖されてしまうんですね。当初の予定よりも短い1年半の滞在で、今度はアメリカのボルティモアに戻って、そこでポーターさんが大学の先生の仕事を見つけられたので、ボルティモアで完成させました。私たちの「世界のアニメーションシアター」で上映をさせていただくという許可をいただいて、その時もクラウドファンディングをしたものですから、2人のメッセージ映像をご覧ください。

WAT 2016セレクション「ビトイーン・タイムズ」監督のビデオメッセージ

マックスさんは、ほとんど日本語をお話にならないそうなんですけど、ルーさんに監督メッセージを寄せてほしいとお願いをしたら快く引き受けてくれて、最初の「こんにちは、Tiny Inventionsでーす」というのと、最後の「よろしくお願いしまーす。」というのを何度も何度も練習をしてビデオを撮ってくれたんだそうです。何年か前のお姿なんですが見ていただきたいなと思ってお見せしました。
ここに並んでいるのがこれから映画に登場する主人公たちですね。実際の撮影に使うパペットということで、これをわざわざ前に置いて撮ってくれました。

もう一本、『Negative Space』に至る前にですね、私は次の作品を作っているのかな、と思っていたら、ボルティモアにいた時に、『Perfect Houseguest』、『きれい好きなお客さん』と私の方で仮の訳を付けてみましたけれど、すごく短いアニメーションなんですが、いろいろな技法を取り混ぜた、次の作品のテスト的なアニメーションもなさっていたようです。これはアメリカの助成金を得て。2本とも自主製作ということでプロデューサーが作っている形ではない作品です。



ビトイーン・タイムズ
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© Tiny Inventions

伊藤:『ビトイーン・タイムズ』の舞台は架空の街なんですけれども、実際に2人が滞在していたオランダの街並みとかをイメージして作られたし、主人公の男とか、皆、ご近所さんですね。とてもキャラクターのある方たちがいたそうで、彼らをイメージしながら登場人物を作っていったそうです。

ナレーションをしていた女性、英語で話しているんですが、英語がドイツ語訛りのアクセントのある女優さんなんですね。これは2人のこだわりで、ドイツ語訛りのある英語をしゃべる人にナレーションをしてほしいということで、ベルリンに彼女たちの映画を配給してくれるエイジェントがあるんですが、その人に相談をしてドイツ人で、英語でナレーションをしてくださる女優さんを見つけてもらった。音入れに2人は行かなかったらしいんですが、ドイツで音入れをしてもらったのをアメリカで完成させたということなんだそうです。

最後のスライドで大きな建物のセットと桑畑さんの顔が写っている写真です。セットを組み立てて、ずっと制作中、置いておかなくてはならないんです。それをオランダからアメリカに引越しをするということで、すごく細かく作ってあるんですが、あのセットをアメリカまで持って行って、大変な思いをなさったそうです。それで完成をしていった『ビトイーン・タイムズ』。
内容的なことでいうと、アインシュタインの時間に関することが絡んでくるそうなので、いろんな解釈の仕方があって、それも面白いと思います。

Perfect Houseguest
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© Tiny Inventions


『Perfect Houseguest』は『Between Times 』同様、人形からスキャンしたキャラクターのデータをコンピューターで動かし、実物の背景などとの合成です。ディジタル技法をリアルな世界とミックスさせるアニメーションです(注)。
そして、『Negative Space』ではフランスのアーティストとのコラボでコマ撮り撮影に移っていったということです。

注)トークでは、『Between Times 』、『Perfect Houseguest』で人形のコマ撮り技法が使われていると誤解される説明をいたしましたが、誤りです。お詫びして訂正いたします。

一番最初にアジアプログラムで見ていただいた『Negative Space』は、Tiny Inventionsの2人が次に大きく飛躍するようになった映画だと思います。いろんな飛躍というのがあると思うんですが、プロデューサーが本格的について制作をしていった。2人が拠点にしていたアメリカのプロデューサー、あるいは日本のプロデューサーではなくて、フランスのプロデューサーとの出会いがあったということになります。そのフランスのプロデューサーとどういう出会いがでてきたのかと言うと、フランスの脚本センター(Maison des Scénaristes)というのがあるんですが、それは世界のアニメーション監督、脚本家に呼びかけをして、フランスのクレールモンフェラン国際短編映画際で企画のピッチをしましょうと、新しい企画があれば応募してくださいと。主にフランスのプロデューサーを呼ぶので出会いの場になりますよ、ということで。2人がそれに応募して、脚本センターからぜひピッチをしてくださいということで、招かれてクレールモンフェランに行くんですね。『Negative Space』という作品を製作することになるIKKI FILMS (イッキーフィルムズ)とManuel Cam Studio (マニュエルカムスタジオ)のプロデューサーと出会った。制作はどこでするのかというと、フランスの助成金はフランスのプロデューサーが取ることができるので、ヴァンドームというロワール川沿いにある、とてもいい街なんですけども、そこにあるCICLIC Animation Center(シクリック)という独立系の映画制作者、アニメーション制作者を支援する組織のレジデンスの助成を得て、9 ヶ月間、フランスに移って制作され、結果は皆さんご存知のように大成功した映画になりました。
最新の数字だと、世界の263の映画祭で上映をされ、そのうち99の映画祭でグランプリとか最優秀短編アニメーション賞に輝いています。もちろんアカデミー賞にノミネートされましたし、アニメーションの世界では最高峰の一つと言われているアニー賞、それからフランスのセザール賞。これはアニメーションだけの映画賞ではなく、その中でノミネートになった。3大映画賞ですね、アニメーションにとって、特にフランスの制作者にとっては、セザール賞ノミネートや受賞というのは大変名誉なことになりますから、そういったところに2人が飛躍をしていった。

CICLICに関しては、制作の時の風景を見たらいいかなと思ってメイキングのスライドを少し持ってきました。この女性は主に装置をやってくださったフランスの方。現地のアニメーション制作者と共同で2人は制作してます。いろんな小道具がいっぱい出てくるんですが、ここにあるようなカバンであったら大小、そのシーンの撮影に合わせて大きさを変えて作った。口は口パクをさせるので、口をいっぱいいっぱい作って、その都度その都度、人形に付け替えてアニメーティングしているということです。

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これは街のシーンです。桑畑さんが雪を降らせる細工をしているんですが、けっこう大きいスタジオの中でやらないと、こういったような背景を組み立てられないんですね。こういう複数のセットがいるわけです。

この人形たちは自由に動かすために、周りはラバー製の肌を作っているんですが、中に骨組みのアーマチュアが入っていて、手足が自由に動かせるしくみになっています。

左側をみていただくと、リードアニメーター。人形を一つ一つ首を動かしたりとか、手を動かしたりとか、ポージングをしているんですね。これを一つずつ動かしながら、1枚ずつ写真を撮って、最終的に先ほど見ていただいたようなアニメーションを作っていく。だからこの車に向かうシーンも一つずつ主人公の足を動かし、キャリーケースを動かすというような形で動かして行っているわけですね。

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左の写真は、フランスの女性カメラマン。カメラチェックなどをしているところです。

右の写真が、皆で総がかりで街路を組んでいるところで、プロデューサーも手伝ってくれたそうです。

左2段目の写真が、最後のお葬式のシーンのセットですね。

右2段目の写真は、チェックをしている撮影監督。

マックスさんはコンピューターオタクというくらい、どっかパーティー行こうとルーさんが誘っても、「いや、僕は何とかソフトの新しい機能を研究したいから……」みたいなタイプの人らしくて、ちょうどいいコンビだな、という感じなんですが、マックスさんが最後の仕上げをしているところです。

右3段目の写真は声優の音入れているところですね。

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このような形で現地のスタッフの方たちと、このアニメーションは作っていかれたんだそうです。

フランスに行って、現地の人達と制作をしたという形になります。ルーさん、何でわざわざヨーロッパに行ってやってるのかなということを今日皆さんにお話しするにあたって、どうなの?という話を聞いたら彼女がこのようなコメントを寄せてくれたんです。
「アメリカと比べて、ヨーロッパは映画が文化として、自分たちの固有の文化という意識が大変高いので、それを作る作家をすごく大事にしてくれる」と。ヨーロッパは長編のアニメーションを、フランスだけではなくて各国で力を入れています。イギリスもアードマンスタジオというところがありまして、人形アニメーション、世界的なヒットをさせているアニメーションを作っているところですけれど。それ以外にもスペインであったりとか、デンマークであったりとか、もちろん東ヨーロッパの国々でも大変アニメーションが活発で、特に劇場側が長編アニメーションを求めている。「これから長編アニメーションがヨーロッパからどんどん出てくるんじゃないか」と。面白い言い方ですが、「ヨーロッパのアート市場は頭がいいんです」と。何でですか?というと、「たくさん良い美術大学があるので、そこを卒業するクリエーター、アニメーションの方、演出家、脚本家がいるんですけれども、そういう方たちを使って、制作をできるような枠組みをしっかりと作っているんです」。

Tiny Inventionsの次の作品は、『Dandelion Seed』。「タンポポの綿毛」という仮の題を私がつけましたけれども、実は今、脚本を開発しています。どんなお話かというと、ルーさんが実際体験なさった部分をベースにして作っていくそうです。1990年代に日本の女子高校生がアメリカに交換留学生として行って、そこで成長していくお話。長編の企画で今開発しています。メインのプロデユーサーは決まっているのですが、どう共同制作を持っていくか、どういう形で組むかということを考えているそうなんです。一番に取りかかっているのが、脚本の開発ですね。

脚本の開発は自分たちだけですることもありますが、今2人が参加しているのはトリノ映画祭がやっている「トリノスクリプトラボ」というワークショップです。レジデンス滞在型のワークショップで、全世界から公募して、アニメーションだけでなく実写を含めての公募だそうです。今年は510企画から20企画が選ばれ、その中の一つに選ばれたということです。もちろんアニメーションは1企画だけ。実写が優勢ですからアニメーションは2作目。2人はギリシャ、それからフランス、そして最後に11月のトリノ映画祭でのピッチに向けて20組一緒になって切磋琢磨しながら、世界から集まってくる優秀なアドバイザーたちと共同で、この写真は今年のではないんですが、やっています。女性の存在感が、日本でもそうですけど、高まってきていて、33人参加している監督、脚本家のうちの16人が女性なんだそうです。女性の時代、ということですよね。このような支援をしていくのが欧州委員会(EU)。EUの「クリエイティブ・ヨーロッパ」というプログラムで文化産業を産業として成立させていこうと、多国籍の政策ということに力を入れていらっしゃいます。

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ボーダーを越える監督、作家たちということで、どういうようなことなんだろう、大変桑畑さんたち自身も努力をしているし、自分たちでいろんなチャンスを見つけるということで努力をなさってる。そのチャンスというものはどういうところにあるのかというと、国際的な枠組みの中で、多文化多言語の中で、いろんなチームを組んでやっていきましょうと。そこで共同の制作があったりとか、共同の出資があったりとか、しかもオープンな場。トリノスクリプトラボもそうなんですが、半ばオープンな場でですね。新しいものをピッチして、プレゼンテーションして、新しいパートナーを作っていくというような形になっています。もちろん一番大事なのは、プロデューサーと組んで、より大きな仕事をしていくということで、今2人はプロデューサーと組んでいくということでやっていらっしゃる。ルーさんたちは30代半ばを過ぎていらっしゃるけれども、ヨーロッパはとても働きやすいな、仕事をしやすいな、という意味でいうと、若い頃から、20代の頃から、国際的な環境で経験していくということに、皆さん力を入れていらっしゃる。大人達がそういう環境を作っていっている。日本を振り返ってみた時に、それだけの体制(態勢)ができているのかな?というと、ちょっと心もとないと思っています。
まだ少し紹介のものを持ってきていますが時間をオーバーしているので、一旦私の話はここで終わらせていただきます。また何かご質問等あれば、お答えしたいと思いますのでご遠慮なくお尋ねください。ありがとうございます。

西村:ありがとうございました。桑畑監督の次の作品が長編ということで、うまく行けば日本でもアート系のミニシアターで劇場公開される可能性は大いにありますよね。

伊藤:そういう形で、もちろん日本のプロデューサーの方がついてくだされば、次はいいと思います。2人もそういう希望を持って動いていらっしゃるとは思います。実際どういう形になっていくか分かりませんが、「オスカーノミネート監督」というのは、日本で思っている以上に世界では、受賞しなくても、必ずその方の一生のプロフィールの中についてくるぐらい価値のあることですから、次は大きい座組で出て、劇場で公開されるだろうなと期待しています。

西村:今後ともマックス・ポーター監督、桑畑監督を応援していただければと思います。ありがとうございました。



トークで紹介できなかった、EUの国際的な協働、共同製作・制作を進展させ、多文化・多言語環境に慣れ、人脈を広げる場を、この紙面を借りて紹介します。

まず、「ボーダーを越える作家たち-アニメーションのインディ系制作最前線」には他力本願や棚ボタはないということです。そして、ヨーロッパなど海外の製作では、次のような傾向が強くなっています。
●国際的な協働、共同製作・制作(資金調達、市場、優秀な人材)
●多文化・多言語(共通言語=英語):若い頃にレジデンス型ワークショップで、多文化・多言語環境に慣れ、人脈を広げる。
●オープンな場でコンセプト段階でもピッチし、パートナーを募る
●プロデューサーが中心の製作態勢

若手が参加し、経験を積む場をいくつか紹介しましょう。
■ トリノスクリプトラボ TorinoFilmLab – ScriptLab
イタリアのトリノ映画祭が運営する、若手の監督、脚本家の滞在型ワークショップ。今年は国際公募510企画の中から20企画が選ばれ、3月~11月の間に3回(各1週間)のグループワークと2回のオンラインセッションで、世界中の映画界から選ばれたチューターと共に脚本を開発する。
女性監督が存在感を示し、参加33名中16名、20企画のうち女性監督10、男女監督1企画とのこと。
桑畑&ポーター両監督の次回作『Dandelion Seed』は、実写優勢のトリノスクリプトラボにあってアニメーション企画としてフランスの「Adama」(Simon Rouby監督)に続く2作目として選ばれた。
11月のトリノ映画祭では、150名ほどのプロデューサー、セールスエージェントなどの前でピッチする。
トリノ映画祭はトリノフィルムラボ(TorinoFilmLab)を2008年に発足させ、処女作と2作目の制作を目指す若手映画人を映画祭と連携しながら支援する活動で、長編映画(ドキュメンタリーを除く)の制作トレーニング、企画開発、資金提供・調達、配給を網羅する国際的なプログラムである。姉妹組織の国立映画博物館、ピエモンテ州の映画学校、そしてトリノ映画協会と連携している。
EU(欧州委員会)の「Creative Europe-MEDIA(クリエイティブ・ヨーロッパ-メディア)プログラムの国際共同製作支援助成を得ているため、ヨーロッパ諸国だけでなく、国際的なプログラムとなっている。トリノで開発された映画がベルリンやカンヌなどの国際映画祭で受賞しており、配給業者やプロデューサーも期待を寄せている。
今年のトリノスクリプトラボには、日本(桑畑かほる、畑明広(ハタ アキヒロ)-パリ第一パンテオン.ソルボンヌ大学芸術学科映画学部卒業、フェミス監督科卒業。在仏で映画を制作)、米国(マックス・ポーター)、セネガル、ブラジル、コロンビア、アルゼンチン、フィリピン、インドネシアからも参加し、選ばれた20組は5つのグループに分かれ、ワークショップを行う。
グループに1名のチューター(個別指導員)とアシスタントが付く。また、開発・製作や法務の専門家がアドバイザーとして個別の相談に応じる。チューターは、南アフリカ、イタリア、英国、ポーランド、オランダから招かれた脚本、企画開発、販売・購入の専門家5名。
来年度の募集〆切は2018年12月1日。

■ デンマークのSEA、ASF、ニッポンノルディック
SEA – コンセプト開発マスタークラスは、南米、ヨーロッパそしてアジアのアニメーション制作者がコンセプトや知的財産(IP)を開発するワークショップとピッチングで、新しい世界ブランドやコンテンツ世界観をグローバル市場へつなげるネットワーキング。
2014年2月、デンマークのアニメーション・ワークショップ(TAW)で、 ヨーロッパ、ブラジル、日本から各5名、計15名が参加。各地域1名ずつチームを組んで、業界プロのアドバイスを受けながら、2週間のグループワークをした。最終日に、5チームがピッチした。
桑畑監督も参加。同じく日本から参加した、宮崎あぐりさん(アートディレクター/『ウサビッチ』(MTV)、『イナズマデリバリー』)は次のようにSEAの体験を語る:
個人作業も魅力的ですが、あのグループワークは面白かったです。あれだけ違う国の人と密に企画の話ができたので、だいぶ精神が鍛えられました。その後もいろいろな人たちと仕事をしていますが、クリエイティブの始まりは個人と個人の間から。うまくいくかはどこ国出身かというより、個人的な人柄に依ると、ますます感じています。

デンマーク、ヴィボーにある、The Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ、TAW)は、多文化・多言語な国際協働、若手の経験を高める場として、「Animation Sans Frontières(ASF)」や「NipponNordic - Universe Accelerator(ニッポンノルディック)」も行っている。
ASFはEU圏の参加者限定で、フランスGOBELINS、ドイツFilmakademie Baden-Württemberg、ハンガリーMoholy-Nagy University of Art and Designと共に11年前から実施。主催する教育機関(フランス、ドイツ、ハンガリー、デンマーク)の各2週間x4回のワークショップで、若手アニメーション作家、クリエイターの企画開発力の育成を目的とする。EU圏から参加する15、6名の若いクリエイターがレジデンスでワークショップと生活を共にすることで友情が生まれ、将来のパートナーとなるなど、多文化・多言語環境でプロとしての経験を積むことを重視している。
ニッポンノルディックは、日本とスカンジナビア諸国のクリエイターを対象にスキルアップトレーニングと国際協働の滞在型プログラムで、両地域から選ばれた16組の参加者は、最短15日・最長28日の間、実務経験豊かなゲスト講師などの支援・指導を受けながら、ビデオ/モバイルゲーム、アプリ、テレビ/ウェブのアニメーション、ドキュメンタリーアニメーション、シリアスゲーム、VR/AR/トランスメディアコンテンツなどの世界観、ストーリー展開や企画書をデベロップメントでき、それぞれの目標に近づく。2017年と18年に実施され、今年は9月3日から9月30日まで。9月24日にピッチを行う。

■ Cartoon Forum(カートゥーン・フォーラム)
今年9月のカートゥーン・フォーラムで、ドワーフ社の『こまねこ』が、フランスの制作スタジオKomadoli(コマドリ)と共にピッチを行う。ドワーフは、『こまねこ』の短編アニメーション映画をフランスで公開(GEBEKA配給)した後、海外展開のパイロット版『The Curious Kitty & Friends』(邦題『ワクワクこまちゃん』)を、Amazonプライム・ビデオで世界5カ国に同時配信している。
カートゥーン・フォーラムは、EUのアニメーション産業振興のための国際非営利団体CARTOON(カートゥーン)が運営する、EUの国際共同製作フォーラムで、主にテレビのアニメーションを対象とする。年1回開催され、800名超のプロデューサー、投資家、TV局や配給業者を集める。
CARTOONは、EUの長編・劇場公開アニメーションの国際共同製作フォーラムCartoon Movie(カートゥーン・ムービー)、クロスメディア・コンテンツの新プロジェクトを対象とするCartoon 360(カートゥーン360)といった、ビジネスフォーラムを運営するほか、非EU圏との国際協働のためのCartoon Connection(カートゥーン・コネクション)も運営する。
加えて、Cartoon Masters(カートゥーン・マスターズ)など、EUのプロ、若手制作者を対象とする集中セミナーを域内各地で、業界団体等と共同で開催し、スキル向上や人脈拡大を支援している。

最後に、オフィスHが普及を始めた「アニメーテッドラーニング(Animated Learning)」を紹介させていただきます。
アニメーテッドラーニングは、デンマークやヨーロッパ諸国、ブラジル、ペルーなどで広がる、アニメーション制作をツールとして用いる学習メソッドである。
アニメーションを学習のツール、そしてコミュニケーション(対話)のツールとして活用することで、学習者のさまざまな能力を高めるだけでなく、多様なビジュアルコミュニケーションを通じて自己理解力、自己肯定感・自信や達成感を養成するもの。
教師、学習指導員などと組むファシリテーターとして、美術大学や専門学校でアニメーションの制作や鑑賞・批評を学んだ人たちの新たな進路となり得る。ベテランアニメーターには、その知識や経験を若い世代へ伝える場となり得る。
知識や情報を蓄積するだけの教育から、アニメーションの制作と発信を通じて人々が自らの能力に気づき、自らの力で成長するのに適した「アニメーテッドラーニング」を日本で受け入れられる形にするため、弊オフィスとパートナーは一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼを設立し、賛同者と一緒に「日本型アニメーテッドラーニング」を広めて行きたいと考えています。

ご質問などあれば、オフィスH/アニメーテッドラーニングらぼの伊藤へご連絡ください。
メールアドレス: hito@officeh.net
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tag : 花コリ トーク録 名古屋

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