『Before & After』カン・ミンジ監督インタビュー

花コリ2017大阪ゲストのカン・ミンジ監督のインタビュー
Indie-AniFest2016映画祭Web Dailyより
短編プログラム2で上映。

カン・ミンジ監督は学生の頃からインディ・アニフェストに出品を続け、上映され、紙が折りたたまれることで話が進む『紙一枚』や
葉っぱを使ったコマ撮アニメーション『Natural Urban Nature』等、自主制作だけではなく、商業ベースのコマーシャル等でも毎回、異なった手法で作品を作り続けています。
『Before&After』はDigiCon6 ASIAでSilver - Innovative Art賞を受賞しています。

大阪会場では、4月8日(土)14:30の回終了後、監督トーク、また18:00より大阪文化院にて、今回の上映作『Before&After』にちなんで、顔を素材にしたワークショップを監督と一緒にやっていきます。
大阪ワークショップの詳細はこちら。



B04_BeforeAfter.jpg

「Before&After/비포 앤 애프터」
2016/07:54/ドローイング、ピクシレーション

いつものように会社の面接を終え、元気なく家に帰る途中。
ソウルの街のあちこちには整形外科林立し、美男美女たちが彼女とすれ違う。
家に帰った主人公はまた履歴書を書き始めるが、ふと机の上に整形外科のチラシを見つける。
主人公は、輝く未来のために自分の身体と心を医者に任せ、危険な賭けに乗り出すが……。

Director's note
韓国は整形共和国と言われるほど、たくさんの人(5人に1人)が整形手術の経験を持ち、整形手術の需要が人口比でもっとも多い国である。周囲の人々の顔が変わっていき、テレビなど生活の中で、似た顔を持つ人を探すのは難しくない。ある日、地下鉄で整形の広告チラシを目にした時、そこに女性の整形前・後の姿があった。写真の中の人物は、同一人物とは思えぬほど違って見え、「二人の間には果たして、何が存在しているのだろうか?」という疑問が湧いてきた。整形手術や外見の宣伝には、いつも”BEFORE”と”AFTER”だけが存在する。過去と未来が存在するのみだ。だが、私たちが生きているのは”現在”である。命がけの冒険に乗り出す整形手術、手術を選択する人々、そして、BEFOREとAFTERの間に何が存在するのか。この作品を通じて探ってみようと思った。

Q.画法と内容が強烈だ。まず制作意図について。
A.整形手術が流行なことがあまりにも当然視されているのをみて、怖くて悲しいと思った。人々が幸せになるための選択肢の中に整形手術くらい極端で危険な選択はない。外部に存在する幸せの基準に合わせるために自らを破壊する現代人の姿を表現したかった。
 整形手術のチラシをみるとBeforeとAfterがはっきりとした対照を成し遂げ、登場している。いつもそのチラシをみるとBeforeとAfterの間のbetweenが表されていないと思った。過去と未来の間の現在を描こうという考えが『Before & After』の土台になった。

Q.主人公はBefore & Afterから希望と絶望の間を行き来するだけだ。
彼女が行きつこうとしたAfterはカン・ミンジ監督にとってどんな意味があるのか?

A.解釈は観る人によって違ってくると思う。私にとってAfterは行きつくことのできない空間だ。作品のために資料調査をしながら分かったことだけれど。整形手術にも流行がある。こういう目が流行なんだと思ったら、次の年にはまた違う目が流行るというように。行きつこうとするAfterが社会の流れによって変化するのだ。外部の基準に自身を合わせようとする試みは、そのため挫折に陥るしかない。

kangMinjiwebdaily.jpg


Q.整形外科と医者が登場する場面が独特だ。
ドローイングアニメーションに本当の手が登場するのも、その手が向かう手術方式も面白い。
そのアイデアはどこから浮かんだのか?

A.それはただ、紙で作るアニメーションだから、紙の特性を活用してみたものだ。紙工作道具を使って、紙を切って貼り付けるのだけれど、現実感をみせようと努力した。作品のサウンドは、自分で音を作って直接録音した。整形外科の医者はストップモーション撮影技法を使ったけれど、整形外科の医者という職業について、私の考えが反映されている。整形外科医は手術をしている間は患者の神のような存在だ。外見を評価する基準と同時に、患者の未来を決定する人物でもある。私にはその職業がもつ自信満々な感じが変にみえる。どちらにしろ、ストップモーション撮影を臨月の時にしたせいで、非常に大変な制作期間を過ごした。現実に合わせカットしたシーンも多かった。

Q.紙以外にはドローイング技法で、作っているが、どうやて制作したのか気になる。
ドローイングの残像はどうやって残したのか?

A.シーン一つに紙を一枚使ったので、残像を残すことができた。一つのシーンを撮影するたびに絵を描いて、スキャンして、また消して、その上に絵を描くということを繰り返した。そうやって現在の瞬間に、過去の場面が残った。本当に大変だった。顔だけが出るシーンはその分、楽だった。背景があるシーンは全て要素要素を全く同じに描かなければならないから大変だった。企画から完成まで1年6ヵ月くらいかかった。間に妊娠と出産があったため、少し制作期間が伸びた感じがあった。残像に神経を使ったが、そうやって残した残像が良いという意見もあり、それほどでも、という意見もあった。

Q.社会問題に関心が多いようだ。
これからの制作活動にも真摯な主題を扱うつもりか?

A.今までの作品を通しては『Before & After』のような重い話をしたことはなかった。普通、現像や感じを扱う実験アニメーションを制作した。実は社会問題を扱う作品をやってみたいと思っていたが勇気がなかった。「よく分からない私がそういった主題に触れてもいいのか?」と思って。一度やってみたから、これからも、うまく主題意識のある作品を作れると思う。以前から動物保護のイシューに関心があった。いつかはそれに関する作品を作るつもりだ。


Indie-AniFest2016では作品の原画が展示された。
1609exhibit017.jpg



カン・ミンジ監督が自身の妊娠体験を元に制作したWEBアニメーション配信中。
多くの新人ママさんへ、またこれからママになる方々にとって、温かいエールとなるような作品となっています。

naver tv アニシアター
「동그리니/まんまる(仮)」全5話
Ep.1
Ep.2
Ep.3
Ep.4
Ep.5

カン・ミンジ監督が制作したご本人が登場するKOFFIA2011 公式トレーラー

関連記事
スポンサーサイト