花コリ2014東京会場レポート パク・ジェオク監督トーク

花コリ2014東京会場レポート

東京会場は4月19日(土)、20日(日)に
今年も渋谷アップリンク・ファクトリーで開催しました。
今年でなんと7年目@o@;
こんなに続けて毎年上映できるのも、貴重な土日を使って足を運んで観に来てくださる皆さんのおかげです!!

今回、東京のゲストはBプロの最初に上映した『2人の紳士』のパク・ジェオク監督。
監督の作品、実は花コリでは『2人の紳士』が3作品目になります。
前作の短編『STOP』はインディ・アニフェスト2008で学生優秀賞を受賞しており、Link into Animated Korea2009で上映しています。『STOP』が第11回TBSデジコン6で優秀賞を受賞した時に来日しているため、東京は今回で2回目だとか。『STOP』はカンヌ国際映画祭でも学生コンペで受賞しています。短編だけでなく、花コリ2011に上映した長編アニメーション『ロマンはない』の共同監督もしています。

そして、今回花コリではオフィスHの伊藤裕美さんをお招きして、パク・ジェオク監督と「現実と非現実のはざ間から生まれるユーモア」と題して、トークをしていただきました。

『2人の紳士』について
最初、マグリットの『これはパイプではない』という絵が基になったのかと思いましたが、実はマグリットの、2人の紳士が空に浮いている別の絵を基にストーリーを作り、パイプの絵は後付けとのこと。マグリットに見られても恥ずかしくない作品を作りたかったそうです。『STOP』は監督自ら作画をしていますが、『2人の紳士』は、企画・脚本・演出をやり、フレーム等の調整はご自身でやったけれど、作画は7歳年上の10年以上経験のあるアニメーターが一人でやったとのことでした。学生の時は大部分の制作を引き受け、進めていたけれど、それ以後は様々な人達と一緒に協力して制作をしており、これから長編をやる上で、年上の人に頼んで作業をするというテストにもなったそうです。
『STOP』は感覚でつくったけれど、『2人の紳士』は頭で作り出したもの、ともおっしゃっており、『2人の紳士』は哲学的な感じになっています。

140419_17.jpg

140419_16.jpg


B01_Two_Gentlemen.jpg
『2人の紳士/두 신사/Two Gentlemen』
パク・ジェオク/2012/09:10/
マグリットの絵を見ながら口論していた二人の紳士は、空へと浮かび上がる。


STOPhp.jpg
『STOP』
パク・ジェオク(韓国映画アカデミー)/2008/5'35"/drawing, 2D
年老いた母親を車で病院に連れていく最中に事故る。
事故の瞬間、息子以外の全ての時間がとまる。



『ロマンはない』について
『ロマンはない』は、政府で運営している教育機関の韓国映画アカデミーの長編研究課程時の作品で、アカデミーでは、毎年、長編のシナリオの時点で選抜があり、優れたシナリオには支援金が与えられ、長編アニメーションの制作ができます。ちなみに、この『ロマンはない』の長女役の声優パク・ジユン氏が韓国版『アナと雪の女王』のアナ役に大抜擢されたそうです。

roman01
『ロマンはない/What is not Romance?』
ホン・ウンジ、スギョン、パク・ジェオク / 2009 / 1:10:00 / 2D
黄(ファン)さん夫婦は、27回目の結婚記念日を迎える。
出前で豚足を取り、子ども達と語らう中、話題は夫婦のさえない思い出話に。
子ども時代の出来事、お見合いの席、初めて結ばれた夜、結婚式、そして家族旅行。
ほんわかとしたぬくもりの中、なんの“ロマンもない”平凡な夫婦の人生を通して、
市井の人々の生活がコミカルに描かれる。


*『ロマンはない』についてのホン・ウンジ監督、スギョン監督が来日した際の花コリ2011名古屋ゲストトーク抄録はこちら

『2人の紳士』のキャラクターがアジア人っぽいが…というお客さんの質問に、最初はフランスかベルギーかどこかの村と人の設定を考えていたが、自分がアジア人なので、描いていたらアジア人になってしまったようだ、とのこと。

監督の考える「韓国のアニメーションの良い所と悪い所」について、との質問に対し、
韓国は日本やアメリカ、ヨーロッパの影響を受けていて、韓国のアニメーションの伝統がない、ある人は日式、ある人はアメリカ式…それらをうまく調和して、新しい可能性が出て、韓国らしさができあがるのかもしれない、まだ、各作家達が模索中の時期だ、とのことでした。そういう意味では韓国のアニメーションはストーリにしても、表現方法にしても幅が広いと感じることがあります。

アニメーションをやるきっかけは?との問いでは、高校の頃から監督になりたかった、その前はマンガ家になりたかったけれど、アニメーションは色も音楽もあり、マンガよりも難しそうと思ったからだそうです。美大ではなくソウル大のデザイン学部というのも、専攻はそれほど重要ではなく、人文系に進もうかと思ったが、デザインの方が面白いと思ったとのこと。監督はソウル大在学中、アニメーションをどうやったらつくれるか、試しにつくったりしていたとのこと。在学中に兵役の代替としてデザイン会社に勤務していたそうです。
ソウル大卒業後、韓国映画アカデミーに入り、短編『STOP』と長編『ロマンはない』をつくっています。

これからのことについては、新作の短編『風邪を引いた日』を少し見せていただきました。そして現在長編アニメーションを企画していて、『リトルズ』といって、ビートルズのパロディで、4人の動物のキャラクターが音楽を通して世界と出会い、世の中を変えていく、というストーリーだそうで、キャラクター設定のファイルを見せながら話してくれました。キャラクターデザイン、背景コンセプト、そしてストーリーが完成しており、投資者を待っている状態。子ども用のアニメーションがよく出るけれど、キャラクターが魅力的でないと失敗すると思う、自分の作りたい物と大衆が求める物とをうまく合わせて作って行きたい、とのことでした。

先日ボローニャ国際図書展で『Dust Kid』の絵本がニューホライズン部門で大賞に選ばれた『LOVE GAMES』のチョン・ユミ監督とは一時期(2009~2010)、スタジオをルームシェアしていたそうです。
その時のスタジオ訪問記はこちら↓     
チョン・ユミ「Dust Kid」、パク・ジェオク「STOP」スタジオ訪問
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント