チャン・ヒョンユン監督、キム・ジュン監督にインタビュー

チャン・ヒョンユン監督がキム・ジュン監督にインタビュー
(KIAFA CAFE「監督語る」2007/09/15より)


チャン・ヒョンユン監督(「ウルフ・ダディ」「わたしのコーヒー・サムライ ~自販機的な彼氏~」)
キム・ジュン監督(「私の親しい友達との軽い親密感」「彼女の家で」「都市に住む人々の空間感」)
*括弧内の代表作はインタビュー当時までのものです。

Link into Animated Korea2008の東京ゲスト、チャン・ヒョンユン監督がキム・ジュン監督に
KIAFA CAFE「監督語る」の企画でインタビューした模様です。
Link into Animated Korea2008の東京ゲストの模様、上映作品詳細はこちら

「監督語る」はKIAFA協会のコミュニティサイトKIAFA CAFEでアニメーション監督が直接アニメーション監督に会って
インタビューし作品に対する話を聞くリレーインタビューです。
協会コミュニティーを利用して周辺の監督の近況を聞き、作品に関して聞きたかった点を
リレーインタビュー形式で進行してインディーズアニメーションに関する多くの談論を
作り上げるための企画インタビューです。
インタビューの対象になった監督はインタビューの後また自分がインタビュアーになって
自分が会いたい監督に会って話を聞くリレー方式で進行します。
この当時「地獄」のヨン・サンホ監督→チャン・ヒョンユン監督→キム・ジュン監督
なぜかまたチャン・ヒョンユン監督→「男語る」のホン・ドッピョ監督になっていました;

08-i01
キム・ジュン監督作品左から「私の親しい友達との軽い親密感」「彼女の家で」「都市に住む人々の空間感」


チャン:いつからアニメーション始めた?

ジュン:アニメーションをやろうと思ったのは大学3,4年で、卒業してから
ハンギョレ文化センターに通ってすぐ映画アカデミーに入ることになったの。

チャン:その時は国文科通ってたとき?

ジュン:国語教育科でしょ。その時は別に考えなくて3年生になるからみんな採用試験準備するんだけど
私も準備する特別講義みたいなとこ、ちょっとあちこちのぞいてみたんだけど本当に先生になりたくなくて
何しなきゃいけないかなぁって思っている途中、そのままちょっと、
ふとアニメーションをしなけきゃなって思って。

チャン:それが全部?

ジュン:アニメーションをわざわざ見に行くほど関心はなかったんです。
敢えて探そうとすれば、高校の時ちょっと好きだったからかな?
テレビでやってたスヌーピーみたいなマンガも好きだったし.....

チャン:うう…ホントにいきなり思いついたんだね…

ジュン: 実はそうなんだけど、アニメーションをやろうと思って親にも話してから
ちょっとあって短編アニメーションが好きになった作品があったりします。
題名もよく知らないんだけど東ヨーロッパの人形アニメーションです。クレイだったかな?
ある中年の男が誕生日パーティーの時、紙飛行機をプレゼントでもらうんだけど、
飛ぶ紙飛行機について行っている途中、幼い頃の自分に会って幼い頃した遊びを一緒にする内容。
短編アニメーションは初めて見たんだけど…
あ、短編アニメーションがこんな風に個人的な話をするんだぁって思った。

でもジュン、君の作品は大部分、話ではなくイメージ中心じゃない。
個人的な話というのは個人的な体験のイメージを描きたいの?

ジュン: 話というのが必ずそういう話ではなく内容という意味で。ストーリーではなく感じや、感情や。

チャン:たとえば「私の親しい友達との軽い親密感」では友達と一緒にいるときのある感じだったでしょ。
でもちょっといると友達さえ外部の空間のように変わってしまって自分だけ残って
すべてのものが搖れるイメージのように変わるでしょ、
で、それはただ鉛筆で変化するイメージを描きたかったとか、
そうじゃなくてジュンの、ある感じがそうだったよう。

ジュン:ええ、最初考えていた友達よりは空間に対する感じで。
見知らぬ人々でいっぱいの大きなコーヒー専門店。

チャン:新作「都市に住む人々の空間感」とも通じる主題だよね。

ジュン:ええ、つながりを探そうとしたものじゃないんだけど、
つくってみたらもっと似たような点がいっぱい見えるみたい。

チャン:もう一つ作品作れば空間に関する3部作になるね。

ジュン:主人公の存在や別に特徴のない見知らぬ人々や、
新しくつくろうとするものも空間に対する話になるかも。人が多い通り。

チャン:作品に登場する空間がカフェ→家→通り、順序なんだね。
ボクは今回の作品「都市に住む人々の空間感」がとっても好き。
今まで韓国で出てきたペーパーアニメーションの中で断然最高だと思う。
そこにある特別さがあるんだけど、それが何か夢幻的な感じ。
人々が瞬間的に夢幻的なファンタジーを感じる時があるんだけど。
がらんとした通りでとか、高層アパートをベランダからずっと眺めているとか。
突然ボクが周りと分離して変な感じを感じる時があるんだけど、君の今度の作品はその感じをよく表現しているようで。
ところで変なんだけど、君はけっこう文学たくさん読んでたじゃん。
例えばマルセル・プルースト(仏の小説家)の 「失われた時を求めて」とか
ヴァージニア・ウルフ(英国女性小説家)の作品とかそんなの読む人、このごろあまり多くないし。
でも作品はむしろ、小説のような事件中心じゃなくて個人の感性中心だ。なんでそうなのかな?

ジュン:本を読みはするけど、実際私は話したり文章書くとき難しさをたくさん感じるわ。
それに文章で表現するのは私がうまくできる部分じゃないような気がする。もちろんプルーストとても好きです。
それらは個人的でも作品をつくるにも役に立つけど、それが必ず文やストーリーで表現される必要はないみたい。

チャン:うむ。じゃあ作品外的な現実に関しての問題だけど、今30になったんだけど
自身の短編制作を続けながら独立した生活をしていくのが難しいみたいだ。

ジュン:ええ、そうでしょう。

チャン:短編制作を続けながら生活をしていくつもりなの?

ジュン:それは、実際、映画アカデミーを卒業した直後もまずは生活が安定しなきゃいけないんじゃないかっていう
漠然な思いがあって、それから個人制作も何をしなきゃいけないかわからないという思いに、
そんな思いをちょっとしてたんだけど、実は、今はとても呑気にもあまり心配をしてないです。
運が良くて今までお金が本当にないほどにはならなかったし、
こんな風に生活ができれば作品も続けられるんじゃないかと思ってる。

チャン:ネイバー(韓国の検索サイト)で「意外の事実」というニックネームでブログスキン制作をしていたけど、
ボクは君の絵や君のある感性がもしかしたら商業的に可能だという気がする。

08-i02

▲「意外の事実」ブログスキン

ジュン:ええ、実際はそんな思いもあるみたい。だから短編アニメーションをやるけど、
描いてそういう絵たちが今すぐ使い道が多くはないけど、それでも私は一般の人々に好まれるものを
やりたいという思いがあるよう。流通の問題があるにはあるけど。

チャン:ボクはアニメーション制作がとても大変になって、人にもあまり会わなくなって、
カフェに行って一人で時間もいっぱい送る君はホントに楽しく絵を描いているんじゃないかと思って
うらやましかった。実際、制作生活はどう?

ジュン:実際の生活は、まずアニメーション制作を考えながら、
実際のところ誰でもそうだけど制作大変じゃないですか。
アニメーションは。 実は私はちょっと違ったりするけど、私は単純作業に急に沒頭するのが得意な方だから、
まさに作業をしてみると、ある日々は何もしないで作業ばかりして精神がおかしくなるみたい。
もちろん、そんな日は多くないけど。
実際のところ、そんな面がアニメーションの作業に役立つのは事実だけど、
それがストレスにもなるみたい。心を楽にして時間を決めておいて作業しなきゃいけないんだけど。
そして制作が終わったら次の制作に対する焦燥感もあって。

チャン:何がストレスなの?作業にだけ集中できる能力が?

ジュン:だからそういう風に作業を何日かすれば生活全体が茫然と非現実的な状態で暮らす感じになって
精神的にストレスがひどくなるでしょ。わかんない?

チャン:うん。わかんない。ボクは作業しないでいてストレスを受けるから。
なんか試験なのに勉強しないで遊ぶ不安感のストレスみたいなのあるじゃん。
とにかく、それじゃぁ今新たに作っている‘通りで感じる空間感’に対する話をしてちょうだい。

ジュン:まだ漠然としてて話すのが難しいんだけど、人がいっぱいいて複雑な通りの感じ。
「都市に住む人々の空間感」をつくる前に考えていたいろんなイメージの中で、ある部分は「都市」になって、
その時からちょっとずつ考えてたことなんだけど、やっぱりペーパーで今度は色を使ってみたいと思ってて、
また複雑で華麗だけど虚無な感じ。

ジュン:漠然としすぎてるでしょ?

チャン:言っておいて君もそう感じる?

ジュン:言葉にしたら漠然ね。絵を描いてみたらわかるでしょう。

チャン:即興的なイメージで制作するみたいだけど、
実際はストーリーボードを描いて、まったく同じにつくったって?

ジュン:それは、「都市~」を作るときそうしました。
「私の親しい友達との軽い親密感」は、ストーリーボードなく、ずっと前にやる部分を考えながら作業してて、
「彼女の家で」も、ほとんどストーリーボードそのままやりました。
やってみたらストーリーボードを一度描いたらほとんど変えないみたい。
だから今度はストーリーボードなしでやってみようと。

チャン:うらやましいな。

ジュン:何が?

チャン:なんか自分の心のままに自由にやってるみたいで…

ジュン:あ、一人でやるからそうでしょ。
共同作業をするならそういうわけにはいかないじゃない。

チャン:ストーリーボードがなかったら制作支援を受けるの難しそうだけど…
全部自分のお金でつくるつもりなのか、そうじゃなくて一定部分をつくった後、
作品企画書をつくって制作支援を受けるのか気になるね。

ジュン:まだ始めてないから話すのが難しいんだけど、なぜなら「都市~」も一人でつくろうと始めたんだけど
途中で支援を受けたので今度のは支援を受けずにつくりたいです。
支援を受けようとすればとにかく全体的な企画をしなきゃいけないし、
「都市~」をつくってみたらそれ(支援)がちょっともどかしく感じたの。
もちろんずっと受けないっていう考えじゃなくてちょっと代わる代わるしたら
これはこの通りに、それはその通りによくないか?もちろん私の希望だけど。

チャン:ボクもその面はわかる。企画を完璧にしてつくってみたら、
いつも昔つくりたかったものをつくっている自分を発見する。
今つくりたいものじゃない。そういう理由でしょ?

ジュン:そう。そうでもあるけど、実際のところずっと新しい場面をどうやってしようかと
考えなきゃいけないのがストレスでもあるんだけど、一方ではそれが面白いじゃない。

チャン:そう!そう!そういう風にできるのがうらやましい~。

ジュン:はは。行く道が決まってるからより退屈で、それからさっき言ったそういう面は
アニメーションをつくればいつも感じるようになるみたい。
昔作りたかったモノを今作って、作りたいモノなどが変わる速度を作業速度がついていきにくいし。

チャン:まるで遠くに去ってしまった女の、昔の手紙を発見するのと同じと言おうか。

ジュン:はは。でも監督はなんとなくずっとその時代の話をしてるみたいだけど。

チャン:そうかな?難しい。難しいな。
最後に、アニメーションをすることは自分にどんな意味があるのか言ってちょうだい。

ジュン:あ…。

チャン:食傷気味?

ジュン:難しく漠然とした質問をして…

彼女はしばらく言葉がなかった。
答えがなくボクが他の質問をしなきゃいけないかなぁと思っていたとき、彼女は話し始めた。

ジュン:でも、言おうとするならば、アニメーションをつくるのが好きで、
アニメーションをつくってて幸せだと思う。
アニメーションをつくりたいという気持ちがなくならないことを願います。今は。

インタビュー:チャン・ヒョンユン
翻訳:ミヤケ印
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント