インディ・アニフェスト2013受賞作決定

2013年9月に行われたインディ・アニフェスト2013の受賞作が決定しました。
各賞の審査評をご紹介します。
なお、花開くコリア・アニメーション2014では受賞作の中から、
大賞『Le temps de l’arbre(木の時間)/나무의 시간』(Aプロ)、一般優秀賞『痛くない/아프지 않아』(Bプロ)、学生優秀賞『風を切って/바람을 가르는』(Aプロ)、審査委員特別賞『セミが鳴いた/매미가 울었다』(Aプロ)、観客賞『学校へ行く道/학교 가는 길』(Bプロ)を上映いたします。


インディ・アニフェスト2013 審査評

 インディ・アニフェスト2013の審査委員を代表して、この場に立てたことを光栄に思います。選ばれた作品のクオリティーは多様で、韓国の多くのインディーズ作家たちと新進作家たちの作品を見られたことは、私にとって大きな特権でした。特に学生作品の水準が高く、私たちは韓国インディーズ・アニメーションの明るい未来を確信することができました。
この場に招待してくださったインディ・アニフェストの実行委員会に感謝いたします。また、イベントの成功を導いた映画祭スタッフ達とボランティア達にも心から賞賛と激励を述べたいと思います。(ゲルベン・シェルメル/Gerben Schermer)

 

(*以下、青字が各作品の審査評)

■大賞:『Le temps de l’arbre(木の時間)/나무의 시간』チョン・ダヒ
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木の生きる周期は私に、人間の生とは異なる種類の生の時間について、考えさせてくれた。この映画は、人間と木のさまざまな生のかたちからインスパイアされた物語を、ひとつにまとめてオムニバス形式で表現している。

 この作品が大賞を受賞するということに、審査委員一同全員意見を一致いたしました。 自然の循環をそれぞれ他の表現と技法で見せるという方式は、主題をどのように紐解いて行くことができるのか憂慮しましたが、『木の時間』は複雑な発想と概念を単純ながらも、効果的なイメージで伝達するのに成功しました。自然の変化と儚さを絶妙で独創的な方式で描き出したこの作品は、時には衝撃的で奇怪に感じられるほどに私たちに深い印象を残しました。
*受賞当時、チョン・ダヒ監督はフランスに留学中で、フランスからのビデオレターで受賞の感想が紹介されました。
インディ・アニフェストではその年の大賞受賞者が次年の映画祭トレーラーを制作します。
インディ・アニフェスト2014のトレーラーがどんなものになるのか、待ち遠しいですね!
花コリでは、おそらく花コリ2015でお目見えするでしょう!

■一般優秀賞:『痛くない/아프지 않아』キム・ボヨン
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歯がぐらぐらする。痛くないふりをしたって、抜かなくちゃならない「その日」は、必ずやって来る。

 この作品の独創的なスタイルと内容は、審査委員たちを非常に驚かせました。監督の想像力と創意性は、作品を作るための主題の一般的な意味を飛び越え、毎瞬間、私達をとらえた彼女だけのスタイルとビジョンで、非常にすぐれた作品を作り出しました。まさにその点が『痛くない』を際立たせました。(マーク・ジェイムス・ロエルズ:『Oh Willy!』監督)


■学生優秀賞:『風を切って/바람을 가르는』ホン・ジュンピョ
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大学を卒業したばかりの、漫画家志望の社会人一年生ホヨン、28歳。漠然とした未来への不安と恐れ、現実と理想との間のギャップに、さまよいとまどう日々を送る。

 抱くことができない未来は戻すことができない昨日のように、今日もとめることができない。時間は節で分けられ、それにもたれた昨日は数えきれない欠片となり散ってしまう。アニメーションは、実際は時間を扱うが、その時間達はアニメーターの手にあまる。一つ一つ分かれた時間の中で、その一つ一つのフレームがあるように、それぞれのフレームには明日があるだろう。それがたとえ散って夢になるとしても(キム・サンファ:釜山子ども映画祭実行委員長)


■審査委員特別賞:『セミが鳴いた/매미가 울었다』オ・ジウォン
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転校してゆく少年と転入してきた少女が、一緒に下校することに。そんなある一日のできごと。

 9回を迎えたインディ・アニフェストを通じて多様な視覚と表現に接することができ、ありがたく楽しかったです。興味深く、心を惹く多くの作品がありましたが、審査委員特別賞は、この作品に注目しました。この作品は、誰かの記憶のひと欠片を入れ込んだような、親密感とおぼろげな感じを抱かせてくれます。後日自分の人生をふり返る時、煌いて目に浮かぶあの日の記憶のような気持ちと言いましょうか。そしてここで注目するのは、この煌きが派手であるとか、雄大だから目に入ってくるのではなく、日常の細々したモノが与える力、その日常が与える価値のためだからです。転校する少年と転入する少女の擦れ違いを日常の風景にスッキリとこめたこの作品に、審査委員特別賞を差し上げます。(シン・ジヘ:アナウンサー)


■チョロギ賞(デビュー賞):『とても大切だった、あなた/너무, 소중했던 당신』
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 チョロギ賞候補に計4作が上がりました。『とても大切だった、あなた』『The Big Boy』『The Dance』『痛くない』、みな素晴らしく、個性が強い作品だったので審査委員の間でも、一番熾烈な話し合いのあった受賞部門でした。受賞作として文句の言えない秀作達をつくったデビュー監督には、心より感謝申し上げます。受賞作は記憶、物、事情等、私達に失った数多くの物々に対する可憐な記憶を優れた描写力と想像力で表現した作品です。
*チョロギ賞とは:教育課程でないところで作られた最初の作品に贈られる物で、現地のインディ・アニフェスト2012に初めて創設された、オ・ソンユン監督の長編アニメーション『庭を出ためんどり/마당을 나온 암탉』から生まれたデビュー賞。オ・ソンユン監督から直接贈られます。


■KIAFA特別賞:『Souvenir Animation』カン・ミンジ
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 今年一般部門、学生部門には話の構造を作るのに重点を置いたり、技術的完成度が高い作品が多かったです。このように多くの作品の中で、今回KIAFA特別賞審査では”インディーズ””実験””情熱””ビジョン”という価値に一番符号する作品を探そうと努力しました。
受賞作は、個人的なコレクションや思い出の場所と、監督自らが疎通しながら世の中を眺める視線を見せています。そしてこの作品は多様なアニメーション技法を使って、実験的ながらも面白いイメージを作り出しています。何より作品の中の動きとリズムで私達は監督が思う過去と現在、そして未来に対する肯定的で情熱的な視線を感じることが出来ます。このような理由でKIAFA特別賞を決定しました。



■観客賞:『学校へ行く道/학교 가는 길』ハン・ジウォン
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